2年前、ブラジルの南部にあるパラナ州の州都・クリチバに赴任しました。

 ブラジルのあちこちで通算20年ぐらい勤務していますが、クリチバで働くのは初めてです。

 この街は人口約200万人の大都市です。ブラジルの人口は2億人。100万人を超える都市は結構あり、200万人といっても驚くほどではありません。それでも、クリチバはいつも「最も住みよい州都」に選ばれています。住環境は抜群です。

 日本の皆さんが持っているブラジルのイメージとかなり違うのが街の特徴です。パラナ州の人々はほとんどが欧州系の移住者で、クリチバもそうです。

 そんな街で、日系人が大きな存在感を示しています。ブラジルには約200万人の日系社会があり、これは世界最大です。中南米で第2位の日系社会を有する国はペルーで約10万人です。パラナ州は約15万人の日系社会を有していますから、ペルー1カ国よりも大きな日系社会を持っていることになります。

 皆さんは、ブラジルというと、アマゾン、リオデジャネイロ、サンバ、サッカー、白い砂浜などを思い浮かべるのではないでしょうか。

 少し「通」になると、イグアスの滝という世界最大の滝をご存じの方もいらっしゃると思います。これはパラナ州にあります。ブラジル有数の観光スポットです。

 クリチバは、標高900メートルの高原にありますので、冬は零度近くになります。一般的なブラジル人のイメージは「陽気」という感じかと思うのですが、クリチバ人は「超」が付くくらい「まじめ」です。

 町は清潔ですし、バス交通網はブラジル一整備されていて、日本の地下鉄網を想像していただけると分かりやすいと思います。
 

クリチバのバスシステム。ブラジルで最も交通網が整備されている街で、住環境も抜群だ

 他の都市に比べればずっと治安も良く、環境都市でもあります。夏も涼しく、日本でいえば軽井沢のようなイメージでしょうか。地球の反対側の軽井沢に、ぜひ一度お越しください。


木村 元さん(佐渡市出身)
 (木村さんは1957年生まれ。佐渡高、上智大を卒業し外務省に入省。2017年から在クリチバ日本総領事館総領事を務めています)