
高齢者見守りについて打ち合わせる民生委員の山﨑順市さん(左)と、協力員の山田加代子さん=長岡市寺泊竹森
新潟県長岡市で、深刻化する人口減少により、あらゆる分野で担い手不足が顕著になっている。民生委員や防災活動を進める組織など、地域で支え合う仕組みにも影響が出始めている。9月29日告示、10月6日投開票の長岡市長選挙では、市民が安心して暮らせる社会の実現も、重要なテーマの一つとなる。
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JR越後線寺泊駅があり、住宅地が広がる長岡市寺泊竹森で、2年前から民生委員を務める山﨑順市さん(68)は「高齢化が進み、月2回ほど見回る高齢者世帯は増えている。頑張ってはいるが、負担は増え続けている」と話す。
高齢者の見守りや地域住民の困り事を聞いて、行政につなぐ-。山﨑さんのような民生委員は、担い手不足に直面している。山﨑さんは自営業をしながら民生委員を務めている。「会社員の人には難しいかもしれない。私が退いたら、引き継ぐ人はいるのかどうか」とこぼす。
▽協力員制度で担い手確保へ
人口減少は長岡市全体で加速しており、特に合併地域は旧長岡市域と比較して減少幅が大きくなっている。過去10年の人口減少率は、旧市域の4%に対して、寺泊地域は5倍の20%だ。他の合併地域も同様の傾向にある。市全体の民生委員の定員は561人で、欠員は現在13人。人口減少に伴って、民生委員の確保はより厳しくなるとみられる。
長岡市は2024年度、民生委員の担い手不足解消と負担軽減を目的に、民生委員をサポートする協力員の制度を始めた。現在、...
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