モノクロームシリーズの作品の前で語るマドハット・カケイさん=新潟市中央区の新潟絵屋
モノクロームシリーズの作品の前で語るマドハット・カケイさん=新潟市中央区の新潟絵屋

 イラク出身のクルド人画家、マドハット・カケイさん(71)の個展が、新潟市中央区の新潟絵屋などで開かれている。イラン・イラク戦争で従軍し、命の危険を感じてスウェーデンへ亡命。現在はストックホルム、パリ、そして日本の千葉市にアトリエを構える。1986年に来日して以来、度々訪れている日本での生活は孤独を癒やし、作品に色彩を生んだという。

 孤独の中で生きてきた。54年生まれのカケイさんは、イラクの首都バグダッドとスペイン・マドリードの大学で美術を学んだ。80年にイラン・イラク戦争が始まると徴兵され、戦地の最前線は「いつ死ぬのか」という恐怖との戦いだった。ふるさとの戦争不安を反映したように、70〜80...

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