新潟県長岡市の前市長、森民夫氏(72)が26日、長岡市内のホテルで記者会見を開き、次期衆院選に新潟5区から無所属で立候補する意思を正式に表明した。森氏は「地域に根差した政策を実現することが政治家としての原点。それを衆院議員として今後も貫き通すことが使命だ」と出馬する決意を語った。
5区には、元知事で自民党現職の泉田裕彦氏(58)と、前知事で事実上の野党統一候補となる米山隆一氏(53)が出馬を予定している。森氏を含め、首長経験者による三つどもえの争いとなる見通しだ。
森氏は会見で、支援者からの国政に推す声を受け、今年2月から5区内で意見を聞いて回った上で出馬を決意したと説明。与野党対決の構図に、無所属で割って入る理由について「有権者の多様な意見を受け止めて政策に仕上げる仕事をやりたい」と述べた。
重点施策は「今後、有権者の声を聞き、練り上げていく」という。訴えの柱として、自身の経験を若い世代に伝えることや、5区内の自治体による一体的な魅力発信などを掲げた。
5区にも近い東京電力柏崎刈羽原発の再稼働については「反対」と強調した。市長時代に取り組んだ生ごみバイオマス発電事業などを挙げ「脱原発の思いは以前からあり、今回ははっきりと明示した」と語った。
5区選出の元衆院議員で2017年に急逝した長島忠美氏の「遺志を継ぐ」とも述べた。
森氏は長岡市出身で東大卒。旧建設省の官僚を経て1999年、長岡市長に初当選し、5期目途中まで務めた。2009~16年には全国市長会長を務めた。16年の知事選に立候補し、米山氏に敗れた。