昨年10月、新潟日報社の記者が取材中に重川隆広県議(75)=新潟市西蒲区=から暴行されてけがを負ったとして県警に被害届を出した事件で、新潟地検は22日、重川県議を暴行罪で不起訴(起訴猶予)とした。地検は、重川県議が記者の体を強く押すという暴行があったことを認定したが、起訴は見送った。
新潟地検によると、重川県議は10月9日正午ごろ、新潟市中央区の県議会庁舎内で新潟日報社の30代男性記者の上半身を両手で強く押した。重川県議は地検の調べに対し、記者の体に接触したことを認め、「私にも至らない点があった」と話したという。
被害記者や目撃した新潟日報記者によると、重川県議は議会庁舎内で会議室の様子に耳をそばだてていた記者に怒り、首を絞めた。被害記者は同じ日、新潟市内の病院で「頸部(けいぶ)挫傷で約10日間の加療」との診断を受けた。
新潟日報社はその後、関係者への聞き取りなど事実関係の調査を進め、被害記者の訴えは間違いないと判断した。被害記者は10月23日に県警に被害届を出した。県警は今年3月13日、重川県議を傷害容疑で書類送検していた。
地検によると、暴行はあったが首を絞めたことまでは認定できなかったとして傷害罪ではなく暴行罪を適用した。その上で、報道などで一定の社会的制裁を受けていることなどを考慮して起訴猶予にしたという。
重川県議の代理人は新潟日報社の取材に対し「検察から聞いていないのでコメントできない」と話した。
新潟日報社の大塚清一郎編集局長は「記者が受けた行為は間違いのない事実と考えているが、検察庁は捜査を尽くした上で判断したものと受け止めている。いずれにせよ暴力は絶対に容認できない」と話した。











