映画『鉄男』(1989年)や『野火』(2014年)などで知られる塚本晋也監督(※塚は旧字体)の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』の公開日が9月11日に決定した。あわせて予告編、メインビジュアル、場面写真が一挙解禁され、リリー・フランキーの出演も発表された。
【動画】映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』予告編
本作は、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンの実話を基にした作品。『野火』、『斬、』(2018年)、『ほかげ』(2023年)に続く塚本監督の新たな戦争映画で、“戦争加害者としての傷”をテーマに描く。
アレンは戦争体験と帰還後の葛藤をつづったノンフィクションの著者であり、日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けてきた人物。塚本監督はその証言を基に、戦場だけでなく帰還後も続く戦争の傷痕を映し出した。
主人公アレン・ネルソンは、貧困や差別から抜け出すため18歳で軍に入隊したアフリカ系アメリカ人青年。彼がベトナムという苛烈な戦地で学んだのはただひとつ、いかに多くの人を殺せるか。考えることを奪われ、戦場で何のためらいもなく殺戮(さつりく)を繰り広げた。その対価として得たのは、ごくわずかな賃金とPTSD(戦争後遺症)だけだった。帰還後、重度のPTSDに苦しみ、23歳で家を追い出され、ホームレス生活へと追い込まれる。そんな彼を支えたのが、退役軍人病院でカウンセリングを行う精神科医ニール・ダニエルズだった。
今回解禁された予告編では、ベトナム戦争下での生々しい加害の記憶と、帰還後にPTSDと向き合うアレンの姿、さらに晩年に講演活動を行う様子が交錯する。ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影された映像は圧倒的なスケール感を漂わせ、塚本監督ならではの鋭い視点で戦争と人間心理に迫っていく。
メインビジュアルには、戦地で複雑な表情を浮かべるアレンの姿を大きく配置。「真実を、聞く覚悟はあるか」というコピーが強烈な印象を残している。
出演は、精神科医ニール・ダニエルズ役にアカデミー賞俳優のジェフリー・ラッシュ、アレン・ネルソン役にブロードウェイ俳優のロドニー・ヒックス。そして、アレンの活動を支える日本人・黒井役としてリリー・フランキーが出演する。
リリーと塚本監督は、リリーの映画デビュー作『盲獣VS一寸法師』(2001年)での共演以来の縁があり、『野火』以来約11年ぶりのタッグ。本作では全編英語での演技に挑戦している。
リリーは、「塚本さんの映画に参加できることは何よりも誇らしいことです。今、この映画の存在は大きいと思うし、特にこの映画が日本で作られていることも、すごく意味があると思います」とコメントを寄せている。
塚本監督が「世界がキナ臭くなっている今だからこそ、必ず作らなければならない映画」と語る本作。戦争の記憶と傷痕を問いかける衝撃作として注目を集めそうだ。
■リリー・フランキーのコメント(全文)
塚本さんの映画に参加できることは何よりも誇らしいことです。
塚本さんの作品は毎回すごくエネルギーがある。ものを作るってこういうことなんだなっていうのを痛感します。
今、この映画の存在は大きいと思うし、特にこの映画が日本で作られていることも、すごく意味があると思います。
この作品で描かれていたことが起きていたんだっていうことを、常に人は忘れてはいけない。
前作の『野火』でもそうでしたけども、このことはやっぱり50年経っても、80年経っても、誰かが伝え続けなければならない。それを作品にし続けなければいけないと思います。












