新潟県新発田市の会社員女性=当時(20)=の殺害事件で、7日に結審した被告の無職男の裁判員裁判は、事件性の有無や証拠の信頼性を巡り、検察側と弁護側の主張が最後まで平行線をたどった。直接証拠を欠き、DNA型鑑定などの状況証拠の積み重ねでの立証をどう判断するか。死刑という最も重い求刑がなされた中、公判は裁判員らの評議の段階に移る。

 検察側は論告で、議論の焦点のDNA型鑑定について、証人出廷した法医学者らの見解を挙げ、結果の正当性を強調。事件当日に遺体発見現場近くでタクシーを呼んだとする住民らの目撃証言をつなげ、被告の犯行を結論づけた。

 求刑に当たっては「最も残虐な犯罪類型」などと厳しい表現を次々...

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