【2021/05/17】
国際海上輸送における世界的なコンテナ不足による影響が、ロシア極東の貿易にも及んでいる。
国土交通省の資料によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な影響で国際貿易が一時的に縮小。その後、急速に輸送需要が回復したことや実入りコンテナの搬出や空コンテナの返却の遅れなどから世界的に国際海上コンテナ輸送力および空コンテナの不足による需給の逼迫(ひっぱく)が生じているという。
われわれが手掛けるロシア極東との貿易でもコンテナ不足を理由に、船社から引き受けを断られることもあり、スケジュール管理が難しくなっている。それ以上に問題なのは、海上運賃が大幅に値上がりしていることで、今年の2~3月には通常の4倍の運賃を提示されたこともあった。
異変を感じ始めたのは昨年の秋ごろからで、年明けから一気に状況が悪化し、旧正月を境に今まで経験したことがない状況となった。通常であれば、出港日の2~3週間前にコンテナの手配の予約を入れれば十分間に合った。
しかし、今は1カ月以上先の予約を入れても予約の確定ができず、船会社からの回答待ちとなるケースが続出した。これに加えて、運賃の値上がりは異常で、採算性から判断し、輸出の取りやめを検討した案件もあった。また、冷凍コンテナの手配ができず、2カ月近く輸出が遅れたこともあった。
4月以降、少しずつ状況が改善する傾向がみられるが、スケジュールにしても運賃にしても元通りにはなっていない。背景にあるのが世界的な問題であり、一荷主としては手の打ちようがない。特に本数が少ないロシア極東航路ではコンテナの奪い合いと運賃の高騰は顕著だ。とにかく状況が良くなるのを願うばかりである。
JSN・濵野剛