【2020/10/19】
新型コロナウイルスの影響で何か月も静かだった街が、6月ごろから少しずつ活気を取り戻してきた。夕方になると屋台は若者でにぎわうようになった。
ハルビンの飲食店の多くは夜10時には閉店するため、2次会は串焼き店へ行くのが定番。ビールと「羊肉串」は、若者だけでなくハルビン市民の大好物といえる。
羊肉串とは、羊肉の串焼きのこと。日本の焼き鳥と違い、羊肉串は多種多様な調味料で味付けして焼く。冷たいビールと焼きたての羊肉串は、2次会の最高のコンビである。
私は黒龍江省で生まれ育ったが、二十歳すぎまで羊の肉を食べたことがなかった。羊肉は独特の臭みがあり、中国の一般家庭では使われなかった。社会人となり、「北来順」という当時ハルビンで有名なイスラム系レストランで羊肉のしゃぶしゃぶを食べたのが初めての体験であった。
羊肉は元々、新疆ウイグル自治区などの少数民族がよく食材に使っていた。1986年、中国版「紅白歌合戦」ともいわれる旧正月のテレビ番組で、有名なタレントの陳佩斯さんと朱時茂さんが共演した「羊肉串」という寸劇が人気で話題になったことが、「新疆羊肉串」の良い宣伝となったのだろう。いつの間にかハルビンにも羊肉串が登場し、給料日に職場の仲間と一緒に羊肉串を食べに行くのが毎月の楽しみとなった。
30年たった現在、ハルビン市街のいたるところに「串店」の看板が目につく。今は食材が豊富で、羊肉だけでなく牛肉、豚肉、海鮮、鳥の足、蚕、野菜など何でも焼いて食べられるが、やはり私の一番のお勧めは羊肉串である。新潟の皆さん、ハルビンに来る機会がありましたら、串焼き店で羊肉串はいかがでしょうか。ハルビンビールと羊肉串、最高ですよ。
県ハルビンビジネス連絡拠点・朱星和