新潟県の長岡、柏崎両市などで2022年12月、二日間にわたって大規模な車両の滞留が起きた。雪道のくぼみにはまって車が動けなくなる「スタック」による立ち往生が引き金となり、後続車も巻き込まれることで事態が悪化。両市の主要国道では約1800台が滞留した。県内ではこれまで、大雪が降るとたびたび大規模な車両の滞留が起き、日常生活や企業活動に大きな影響を及ぼしてきた。車社会では誰もが巻き込まれる恐れがあり、備えは欠かせない。(長岡支社・永井竜生)

大雪の影響で渋滞が続いた国道17号=2022年12月20日午後5時30分前、長岡市滝谷町

 「半分以上あったガソリンは底を突きかけ、肝を冷やした」。長岡造形大(長岡市)職員の男性(59)は2022年12月、長岡市を南北に貫く国道8、17号で約33キロにわたり車両が滞留した渋滞に巻き込まれた経験を振り返る。

 12月19日の夕方から翌日の早朝まで半日近く。幸い、暖かい格好をしており、帰宅前にスーパーで買った食料でしのいだが「寝るわけにもいかず、しんどかった」。以来、ガソリンは常に満タンにするよう心がける。

 大規模な車両滞留は、降雪が本格化する12月後半から1月にかけて多発している。国土交通省によると、2013〜22年の10年間で全国で計20回起きた=グラフ参照=。12月後半が7回、1月が10回と、この期間で全体の85%を占める。

 このうち新潟県は...

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