家族会と救う会の合同会議後、記者会見で語る横田早紀江さん(左)ら=2月16日、東京都港区
家族会と救う会の合同会議後、記者会見で語る横田早紀江さん(左)ら=2月16日、東京都港区

 北朝鮮による拉致被害者家族会と支援団体「救う会」は2月16日、東京都内で合同会議を開き、新たな運動方針を決めた。日朝間の連絡事務所を開設するとした石破茂首相の構想には「時間稼ぎにしかならない」と懸念を表明し、早期の首脳会談を求める。政府の交渉を後押しする姿勢から「くぎを刺す」内容に変わった。

 帰国していない政府認定拉致被害者の親世代で存命なのは、新潟市で拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(89)だけとなっている。

 1年前に決めた運動方針は、親世代が存命中に全被害者の一括帰国が実現した場合、人道支援や独自制裁の解除に「反対しない」とし、政府が北朝鮮と交渉しやすいよう配慮を示した。

 今回は、親世代の存命中の一括帰国が独自制裁解除などの条件だと「内外に明らかにすることを政府に求める」とし、政府に注文を付ける表現に変えた。

 背景にあるのが石破首相への不信感だ。...

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