インタビューに答える「スマッシュ」の佐潟敏博社長

 国内最大級のロックフェス「フジロック・フェスティバル」が今年も7月25〜27日、湯沢町・苗場で開かれる。1997年にスタートし、新型コロナウイルス禍などを経ながら、30周年に向けて走り続ける。主催するスマッシュ(東京)の佐潟敏博社長(57)に今年の手応えやフジロックの将来像を聞いた。

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 -主なラインアップが発表され、今年のフジロックの姿が見えてきました。

 「今年は山下達郎さんに出てもらえます。グリーンステージに立つ姿を想像するだけで震えるくらい、念願でした。10年ほどアプローチしていて、デビュー50周年でようやくタイミングが合いました」

2025年のフジロックに出演する山下達郎さん

 -ステージ間を結ぶバスの運行や休憩所の整備、日別のラインアップ発表など近年、運営方法を大きく変えています。

 「3日間通しで、不便を楽しむというフジロックの基本スタンスに合わないという声もありました。一方で、バスは年齢層の高いお客さんや子連れの方に好評でした。日別でアーティストを発表すれば、お客さんも1日券を買いやすい。ポリシーだけにこだわっていると、どうしてもニーズに合わない部分も出てくる。フジロックは基本ハードなので、優しさを見せようかなと思っています」

 -変わらず大切にしているものは何ですか。

 「音楽的な部分です。洋楽アーティストの多さは、フジロックらしさだというこだわりがあります。洋楽を交えた大規模なフェスは国内では、うちとサマーソニックしかありません。円安の影響で洋楽のアーティストは減っていますが、最低でも5割ほどの比率は保ちたいです」

 -お客さんは、どの年代が多いですか。

 「30〜50代が中心です。家族ができて一時、休んでいたけど、また戻ってきてくれるお客さんもいます。ここ10年くらいは、ベビーカーを引いてきてくれる方も多いです。積み上げてきた月日を感じています」

キッズランドでシーソーを楽しむ子どもたち

 -若者の取り込みは課題の一つでしょうか。

 「いつも来てくれるお客さんを大事にしたいので、満足してもらうための方法は常に考えています。将来を考えると、若い客層を育てて、次の世代に引き継ぐ方法も考えなければいけません。今年は17歳以下の割引チケットを出して、売れ行きも好調です」

 -ブッキングはどんな形で進みますか。...

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