新潟県音楽コンクール(新潟日報社、県、新潟市など主催)が今年、60回を迎えた。新潟日報社では、これまでの歩み、活躍を続ける歴代受賞者や審査員らのインタビューを収めた記念誌「ハーモニー」を作成し、希望者に配布している。

 県音楽コンクールは1966年にスタート。ピアノ、弦楽、声楽、管楽の4部門があり、最高賞の大賞は全部門の出場者から選ばれる。新型コロナウイルス禍で中止となった2020年を除き毎年開催され、これまでに9000人超が出場した。

 記念誌では、第50回から審査委員長を務めてきた武蔵野音大教授の北原幸男さんと、来年審査委員長に就任予定の大阪音大特任教授の新通英洋さん=佐渡市出身=が対談。

 北原さんは、4部門の出場者が同じ舞台で競い合う魅力について「年齢や楽器の垣根を越えて、つながりを生む。とても意義あること」と強調。新通さんは「県民性を踏まえながら、新潟らしい音楽文化を育むアプローチをしていきたい」と決意を語っている。

 歴代受賞者インタビューには、県音楽コンクール出場が声楽家への道を開いたという、湯沢町出身で日本屈指のテノール歌手・笛田博昭さんが登場。ほかに、昨年全日本学生音楽コンクールでも優勝した長岡市の高校生・後藤苺瑚さん(弦楽・バイオリン)、劇団四季の専属俳優・塙康平さん(声楽・バリトン)、県内外の演奏会に出演するなど多彩な活動を展開する小黒亜紀さん(ピアノ)や吉井愛貴さん(ピアノ)、田村亮太さん(管楽・サクソフォン)の5人が、コンクール出場で得た学びや成長などについて語っている。

 作曲家で元審査員、上越教育大名誉教授・後藤丹さんの寄稿や、審査員4人の声も収めた。59回までの受賞者名簿も一覧できる。

 事務局では「記念誌には、音楽を楽しみながら生きているコンクール関係者らの声をたくさん盛った。コンクールは敷居が高いものではなく、世界が広がる機会であることを知ってほしい」と呼びかけている。

 B5判32ページで、2000部作成。無料。新潟日報メディアシップ1階のインフォメーションセンターえんに配置している。

 問い合わせは新潟日報社ふれあい事業部、025(385)7470(平日午前10時~午後5時)。