
佐橋亮氏
北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。の進展がない中、トランプ米大統領の動きが注目されている。トランプ氏は第1次政権時、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と史上初の米朝首脳会談トランプ米大統領は第1次政権時、金正恩氏と3回の米朝首脳会談を行った。2018年6月にシンガポールで史上初の会談を開催。19年2月にベトナム・ハノイ、19年6月に韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店でも会談したが、北朝鮮の非核化を巡り交渉が決裂した。(※ページ下部に詳細)を実現。3度トップ会談し、拉致問題を提起したとされる。2期目でも米朝首脳関係の構築に意欲を示している。米朝交渉の展望や拉致問題を含む日朝関係への影響について、東大東洋文化研究所の佐橋亮教授(47)=国際政治学=に聞いた。(報道部・樋口耕勇)
-トランプ氏の大統領再任から4カ月ですが、米朝関係をどう見ますか。
「米朝交渉が行われる蓋然性(がいぜんせい)はかなり高い。今の米政府は第1次トランプ政権で北朝鮮交渉を担った要人がおり、...
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