
横田滋さんが亡くなって5年となるのを前に、思いを語る早紀江さん=3日、川崎市
1977年に新潟市で北朝鮮に拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の父滋さんが亡くなってから5日で5年となるのを前に、母早紀江さん(89)が3日、川崎市内で報道各社の取材に応じた。「家の中に主人がいないのは大きな寂しさがある」とし、拉致問題北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。に進展がない状況に「悔しい。ただ悔しい」「私も(娘に)会えるかどうか分からない」などと悲痛な表情で語った。
拉致被害者家族会の初代代表として活動してきた滋さんは、2020年に87歳で亡くなった。めぐみさんとの再会は果たせなかったが、14年に夫妻でめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと対面。ひ孫も抱いた。「あれだけが主人にとって良かったんじゃないか。神様...
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