初当選し、決意を語る佐野大輔さん=19日、燕市東太田
初当選し、決意を語る佐野大輔さん=19日、燕市東太田

 燕市長選は19日に投開票され、無所属新人で前市議の佐野大輔さん(41)が、無所属新人で元会社員の佐々木剛さん(59)にわずか144票の僅差で勝利した。鈴木力市長が4期目途中での辞職を表明し、15年半ぶりのトップ交代。大きな争点もなく、盛り上がりに欠けるといわれた選挙戦で、何が勝敗を分けたのか。選挙戦の戦いぶりや出口調査などから大接戦を振り返り、薄氷の船出となる新市政の課題を探る。(3回続きの3)

【前回の記事】
<上>勝敗分けた「わずかな差」とは…最終盤の強雨「危機感の差」浮き彫りに、演説会でも違いが
<中>勝敗を分けたのは「若い世代」か、「政策の違い見えず」盛り上がり欠いたとの声も

 新潟日報社が期日前も含めて676人から協力を得た出口アンケートでは、最も重視する政策として「産業・経済」を挙げた人が225人で最多だった。佐野大輔さん(42)は若手経営者らの支援を受け当選したものの、商工団体の幹部らは相手陣営についた。地場産業振興について「やりたいことはたくさんある」と語る佐野さんだが、多難な船出となる可能性もある。

 

 「選挙で決着がついた以上、佐野さんには頑張ってもらいたい。市民に任された仕事をしっかりやっていただけるのであれば、誰が市長であっても関係ない」

 選挙戦で...

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