クマの出没地域で警戒に当たる警察官=10月、山形県内(警察庁提供)

 警察官がライフル銃を使用してクマを駆除することが可能になる。人里への出没が増え、対応に当たる人員の不足に悩む地元自治体は「負担が減る」と歓迎する。一方、射撃には高い技術を要し、経験が乏しい警察官による駆除には危険が伴う上、被害収束に直結するかどうか懐疑的な意見も。専門家は技能習熟のために中長期的な計画を立て、十分な訓練を経て臨む必要があると指摘する。

▽期待寄せる自治体

 「ノウハウをしっかり伝え、人命を守るために連携したい」。2025年度のクマによる犠牲者が全国最多の5人に上る岩手県。同県北上市猟友会の鶴山博会長は警察の派遣に謝意を示した。

 環境省によると、25年度の全国の犠牲者数は13人で過去...

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