ベネッセコーポレーションは17日までに、高校生を対象とした2025年の意識調査の結果を発表した。悩みの相談相手として生成AIを活用する高校生が約3割に上る結果が出た。
ベネッセが提供する通信教育講座「進研ゼミ 高校講座」が、全国の高校1~3年生756人に調査した。
今年、高校生の間で最も使われたコトバは「〇〇界隈」だった。SNS上で趣味や価値観ごとの小さなコミュニティーが形成される中、“自分の属する世界”を指し示す言い回しとして広がったとみられる。続く「ビジュイイじゃん」「エッホエッホ」などもTikTokを中心としたSNS発のリアクション語で、軽くテンポのよいコミュニケーションが支持されていることがうかがえた。
流行したモノ・コトでは、加工しない“等身大の発信”が特徴のSNS「BeReal.」が1位となった。「LABUBU(ラブブ)」や「カプセルトイ」など、癒やしや小さな楽しみを求めるアイテムが上位に入り、日常の中に自分らしさや気分転換を取り入れるスタイルが浸透している様子が見られた。
話題になったヒトでは、大谷翔平が1位となり、スポーツ界を超えた圧倒的な存在感を示した。また、高市早苗首相が2位に入り、政治的な出来事への関心の高まりもうかがえた。加えて、3位のMrs. GREEN APPLEは5位にボーカルの大森元貴も同時にランクインし、高校生の支持の高さが際立った。
2025年に「推しがいた」と答えた高校生は79.1%と約8割に上り、推し活が日常の一部として定着していることが判明。最も推していた対象としては、1位にMrs. GREEN APPLE、2位にSnow Man、3位になにわ男子が続き、続いてSixTONESやにじさんじがランクインした。音楽グループが上位を占める一方、アイドル・VTuberなど多様なジャンルに興味が広がっており、高校生の推し活の裾野がさらに広がっている様子がうかがえる。
今年、最も注目したニュースを聞いたところ「初の女性総理大臣誕生」が最多(30.0%)となり、若年層の政治への注目度が高まっていることが示された。続いて「大阪・関西万博開催」が2位(23.2%)、「熊出没・被害のニュース」が3位(15.6%)に入り、生活圏や将来に関わるテーマへの関心が強い傾向が見られる。また「物価高」「米の価格高騰」など家計負担に直結するトピックスも上位に入り、日常生活に近い社会課題を敏感に捉えている姿が浮き彫りになった。
この1年で最も多かった悩みは「進路・受験のこと」(30.8%)で、進学先や将来の方向性を選ぶ局面に対する不安が高校生の最大の関心事であることがわかった。続いて「勉強へのモチベーションの維持」「勉強の仕方」「部活との両立」など、日常の学習・生活と密接に関わるテーマが上位に入った。
悩んだ時の相談相手としては「家族」(51.8%)と「友達」 (48.2%)が中心となった一方、「自分ひとりで考えた」(36.8%)、「学校の先生」(29.7%)に次いで「生成AI」 (28.8%)が5位にランクイン。AIが進路や学習の不安を整理する“第三の相談相手”として受け入れられつつある様子が見られた。












