第III相ARTISTRY-1試験およびARTISTRY-2試験の結果は、規制当局への申請資料の基礎に
2026年3月6日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアド、開発中のビクテグラビル/レナカパビル配合剤 シングルタブレットレジメンが、抗レトロウイルス療法を 切り替えたHIV陽性者におけるウイルス抑制を維持
–国際的なガイドラインで推奨されている インテグラーゼ阻害剤で耐性へのバリアが高いビクテグラビルと、 ファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤であるレナカパビルの配合剤– –第III相ARTISTRY-1試験およびARTISTRY-2試験の結果は、 規制当局への申請資料の基礎に–
ギリアド・サイエンシズ(本社:米国カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は2月25日、第III相ARTISTRY-1試験およびARTISTRY-2試験の新たな臨床データを第33回レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI 2026)で発表しました。今回発表されたデータでは、ウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者を対象とした、複雑なマルチタブレットレジメンあるいは国際的なガイドラインで推奨されているシングルタブレットレジメンから、ビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mg (BIC/LEN)シングルタブレットレジメンへ切り替えた場合の有効性が示されました。新しいBIC/LEN配合剤の忍容性は概ね良好であり、重大または新たな安全性上の懸念は特定されませんでした。
ギリアドの臨床開発シニアバイスプレジデント、ウイルス感染症領域ヘッドのジャレッド・ベイテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「ARTISTRY試験の結果は、継続的な科学的イノベーションを通じてHIV治療を進展させるというギリアドのコミットメントを表す最新の事例です。この1日1回投与のシングルタブレットレジメンは、ビクテグラビルの堅牢性に、ファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤であるレナカパビルを配合したものです。この新しい配合剤は、新たな治療選択肢を求める人々においてウイルス学的抑制が維持されるように設計されています。HIVとともに生活する人々にこの併用療法を提供できるよう、規制当局と協力していきたいと考えています」
今回の結果は、ウイルス抑制が得られている成人において、BIC/LENがビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg/テノホビル アラフェナミド25 mg錠、B/F/TAF)や複雑なマルチタブレットレジメン治療と同等の有効性を提供し、治療選択肢を拡充する可能性を示しています。
ARTISTRY-1試験(NCT05502341)およびARTISTRY-2試験(NCT06333808)の最新の臨床データは、BIC/LENの1日1回投与のシングルタブレットレジメンの安全性と有効性を評価したもので、コロラド州デンバーで行われたCROI 2026のLate-breakerセッションで発表されました。これらの知見は、2025年11月および12月に発表した良好なトップラインデータを基盤とするものです。
ARTISTRY-1試験のLate-breaking臨床結果について
CROI 2026で発表された結果は、BIC/LENの配合剤シングルタブレットレジメンが、複雑なマルチタブレットレジメンでウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者に対して、最適化された投与方法を提供する、重要かつ新たな選択肢となる可能性を示しています。48週時の結果は、BIC/LENのシングルタブレットレジメンが、複雑なマルチタブレットレジメンに対してウイルス学的抑制の維持において非劣性であることを示し、ウイルス学的抑制が得られなかった(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、米国食品医薬品局( FDA)のSnapshotアルゴリズムに基づく)被験者は、複雑な抗レトロウイルスレジメンの継続群では1.1%であったのに対し、BIC/LEN投与群では0.8%でした。CD4細胞数は両投与群ともに安定しており、耐性発現は認められませんでした。48週時で、複雑なマルチタブレットレジメンからBIC/LENへの切り替えと、空腹時脂質項目のベースラインからの改善との間に関連性が認められ、総コレステロール値の変化量の中央値が抗レトロウイルスレジメン継続群は+2 mg/dLであったのに対し、BIC/LEN投与群は-15 mg/dLでした。さらには、HIV治療満足度を被験者が報告するHIVTSQsスコアにおいて、BIC/LEN投与群はベースラインから平均7ポイント増加しましたが、複雑なマルチタブレットレジメンの投与群では変化は認められませんでした。
ロンドン大学クイーン・メアリー校の感染症および医療格差の臨床教授であるクロエ・オーキン氏(Chloe Orkin, MBE)は、次のように述べています。「既存の耐性、不耐容、禁忌または薬物相互作用のため、多くのHIV陽性者がガイドラインで推奨されている抗レトロウイルス療法のシングルタブレットレジメンの恩恵を得ることができない可能性があります。ARTISTRY-1試験の参加者はベースライン時に抗レトロウイルス薬を1日2錠〜11錠を服用しており、約40%が1日に複数回服用していました。複雑な治療レジメンは人々の生活に重大な負担をもたらす恐れがあります。効果的で使いやすい新たなシングルタブレットレジメンを見出すことは、治療を最適化し、ビクテグラビルやレナカパビルのような医学研究における近年の進歩からより多くの人がベネフィットを得られるようにするための鍵となります」
BIC/LENの忍容性は概ね良好で、試験治療下での副作用は、BIC/LENに切り替えた被験者の14.3%、複雑なマルチタブレットレジメンを継続した被験者の1.6%から報告されました。試験治療下で重篤な副作用が発現した割合は両投与群で同程度で(BIC/LEN群0.3%、複雑なマルチタブレットレジメン群0%)、有害事象により治療を中止した被験者は少数でした(それぞれ1.6%および0.5%)。
2026年2月25日には、The Lancet誌がARTISTRY-1試験の主要評価項目の結果を「Switch to single-tablet bictegravir/lenacapavir from a complex HIV regimen: results from ARTISTRY-1, a randomised, open-label phase 3 clinical trial.(複雑なHIV治療レジメンからビクテグラビル/レナカパビル 配合剤シングルタブレットレジメンへの切り替え:無作為化非盲検試験である第III相ARTISTRY-1試験の結果)」と題して公開しました。
ARTISTRY-2試験のLate-breaking臨床結果について
CROI 2026で発表されたARTISTRY-2試験の結果は、BIC/LENが国際的なガイドラインで推奨されているシングルタブレットレジメンであるビクタルビと同等の有効性を持つことを示し、現在のHIV治療の選択肢を広げる可能性をさらに実証しました。48週までのウイルス学的抑制の維持において、BIC/LENはビクタルビによる標準治療に対して非劣性であることが確認され、ウイルス学的抑制が得られなかった被験者(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、FDAのSnapshotアルゴリズムに基づく)は、ビクタルビ投与群では1.0%であったのに対し、BIC/LEN継続群では1.3%でした。CD4細胞数は安定しており、各投与群で2名ずつの被験者が薬剤耐性解析実施の基準に合致しました。
耐性解析では、4名中3名(BIC/LEN投与群1名およびビクタルビ投与群2名)において、48週までに試験治療下で新たな耐性発現は認められませんでした。BIC/LEN投与群の1名は、36週時に表現型耐性を伴わない単独のインテグラーゼ変異が検出されましたが、カプシド変異は検出されませんでした。また、BIC/LENへの切り替えは体重に有意な影響を及ぼさないことが示され、48週間の投与期間を通じて、両群ともに体格指数(BMI)は安定していました。
BIC/LENの忍容性は概ね良好で、試験治療下で副作用を発現した被験者の割合はBIC/LEN治療群とビクタルビ治療群で、それぞれ10.4%、12.0%と同程度でした。重篤な副作用は報告されず、有害事象により治療を中止した被験者は両投与群ともに1.6%と少数でした。
サウスカロライナ医科大学のHIV・肝炎患者ケアおよび研究のディレクターで准教授のエリック・マイスナー氏(Eric Meissner, MD, PhD)は、次のように述べています。「ARTISTRY-2試験で得られた知見は、ビクテグラビル/レナカパビルによるレジメンが、HIV陽性者に提供されるシングルタブレットの抗レトロウイルス薬の幅を広げる可能性を裏付けています。ガイドラインで推奨されている治療と同等の有効性を持つことが示されたことで、ウイルス学的に抑制されている成人HIV陽性者にとって、有意義な治療選択肢がもう一つ得られることを期待しています」
BIC/LEN配合剤については研究段階にあり、世界的にまだ承認されていません。その安全性および有効性については、米国食品医薬品局(FDA)によってまだ確立されていません。
HIVまたはAIDSを治癒する方法は現在のところ存在しません。
ARTISTRY-1試験について
ARTISTRY-1試験(NCT05502341)は、複雑なレジメンでウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者を対象に、国際的なガイドラインで推奨されているインテグラーゼ阻害剤のビクテグラビルとファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤のレナカパビルによる1日1回投与の併用療法と、既存の治療を比較する、多施設共同第II/III相臨床試験です。第III相では、被験者がビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mgの固定用量配合剤を投与する群または安定した複雑なベースラインレジメンを継続する群に2:1の比率で無作為に割り付けられました。主要評価項目は、48週時にウイルス学的抑制が得られなかった(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合でした。48週時の主な副次評価項目は、ウイルス学的抑制が得られた(HIVウイルス量50 copies/mL未満、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合、CD4細胞数のベースラインからの変化量および治療中に有害事象(TEAE)を発現した被験者の割合でした。
ARTISTRY-2試験について
ARTISTRY-2試験(NCT06333808)は、ウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者を対象に、開発中の1日1回投与のビクテグラビルとレナカパビルによる配合剤とビクタルビの安全性および有効性を比較する多施設共同、二重盲検、無作為、第III相臨床試験です。ビクタルビが投与されている被験者は、ビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mgの投与に切り替える群またはビクタルビの投与を継続する群に2:1の比率で無作為に割り付けられました。主要評価項目は、48週時にウイルス学的抑制が得られなかった(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合でした。48週時の主な副次評価項目は、ウイルス学的抑制が得られた(HIVウイルス量50 copies/mL未満、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合、CD4細胞数のベースラインからの変化量および治療中に有害事象(TEAE)を発現した被験者の割合でした。
ビクテグラビルについて
ビクテグラビルは、国際的なガイドラインで推奨されている耐性へのバリアが高いインテグラーゼ阻害剤(INSTI)で、INSTIは、ウイルスのインテグラーゼを標的とする抗ウイルス薬クラスです。ビクテグラビルは、HIVの治療において他の抗レトロウイルス薬との併用でのみ使用します。
レナカパビルについて
レナカパビルは、HIV感染のリスクがある成人および青年における性的感染HIVのリスクを低減するための曝露前予防(PrEP)として、複数の国で承認されています。また、レナカパビルは、他の抗レトロウイルス薬との併用により、多剤耐性を有する成人HIV陽性者に対する治療薬としても、多くの国々で承認されています。
レナカパビルの複数の過程に対する作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスと異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、レナカパビルはHIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するように開発されており、in vitroでは、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。
レナカパビルは、ギリアドのHIV予防および治療研究プログラムにおける複数の進行中および計画中の、初期ならびに後期臨床試験において、長時間作用型の選択肢として評価されています。レナカパビルは将来のHIV治療の基盤として開発されており、HIVに影響を受けた人々およびコミュニティの個々のニーズや選好に対応できるよう、長時間作用型経口薬および注射薬両方の選択肢を、さまざまな投与頻度で、併用療法もしくは単剤療法として、提供することを目標としています。レナカパビルは、TIME誌のBest Inventions、フォーチュン誌のChange the Worldリスト、サイエンス誌の2024年Breakthrough of the Year、2025年のPrix Galien USA Award for Best Pharmaceutical Productに選定されました。
ギリアド・サイエンシズのHIV領域における活動について
ギリアドは35年以上にわたり、HIV分野におけるリーダーであり、革新者として治療、予防および治癒に関する研究の進歩を推進してきました。HIV感染症治療を目的とした初の1日1回1錠レジメンや、HIVの新規感染を減少させるための曝露前予防(PrEP)を目的とした初の抗レトロウイルス薬、初の年2回投与の長時間作用型HIV治療注射剤など、ギリアドの研究者はこれまで13種類ものHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、何百万人もの人々にとってHIVは治療および予防が可能な慢性疾患となりました。
ギリアドは、世界中のHIV陽性者の進化するニーズに対する解決策を提供するため、継続的な科学的イノベーションに取り組んでいます。パートナーシップ、協働および慈善事業への寄付を通じて、教育の発展、アクセスの拡大、治療への障壁解消に貢献し、世界におけるHIVの流行終結を目指しています。またギリアドは、Funders Concerned About AIDSが発表した報告書において、HIV関連プログラムの主要慈善資金提供企業の上位2つの企業の1つとして複数回にわたって評価を受けています。
ギリアドがHIVの流行終結のための取り組みについては、世界各地で実施している独自の協働にてさらにご覧いただけます。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんおよび炎症などの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。2025年にギリアドは、あらゆる場所で患者さんが科学的なイノベーションから利益を得られるよう世界的に投資を継続するとともに、次世代の創薬、雇用創出、公衆衛生に備えて米国での事業基盤をさらに強化するために、320億ドルの投資の計画を発表しました。当社は、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。
将来予測に関する記述
本プレスリリースは、1995年「民事証券訴訟改革法」(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素、その他の要因を含む場合があります。これらのリスク等には、臨床試験または臨床研究を予定されたスケジュールで開始、進行および完了するギリアドの能力、ビクテグラビルやレナカパビルに関するもの(ARTISTRY-1試験、ARTISTRY-2試験など)を含む、進行中および追加の臨床試験または臨床研究から好ましくない結果が得られる可能性、プログラムおよび/または現在評価中の適応(HIV-1感染に対するビクタルビとレナカパビルの併用を含む)に関する将来の申請を含め、規制当局への申請と関連する申請および承認のスケジュールについての不確実性、規制当局から承認された場合でも、その承認が使用に関して当該規制当局により重大な制約が課されたり、承認撤回、またはその他の不利な措置を受けるリスク、ギリアドがこれらのプログラムの開発中止を戦略的に決定し、結果として現在評価中の適応症に対するこれらのプログラムが全く商業化されない可能性、および上記のいずれかの根拠となったりする仮定も含まれます。これらの、またその他のリスク、不確実性および要因については、米国証券取引委員会に提出済の2025年12月31日を期末とするギリアドの年次報告書(フォーム10-K)に詳しく記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なる可能性があります。歴史的な事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」と見なされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、リスクと不確実性を含むものであり、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないよう注意してください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは、「将来予測に関する記述」を更新する義務を負わず、更新する意向もありません。










