
役所が進める政策は本当に正しいのだろうか-。そんな疑問を抱いたら、役所に公文書を情報公開請求してみよう。公文書は行政の意思決定過程を示す、市民の共有財産であり、誰でも請求できる。行政の課題を可視化し政策に潜む真意を見抜くため、情報公開制度の活用を促しているのが調査報道記者の日野行介さん(50)=東京都=だ。これまでの請求実績は千件以上。得られた公文書を駆使し、事実から政策の矛盾点やごまかしを追及し続ける日野さんは、自身の取材経験で培った手法と技術を「公文書道(こうぶんしょどう)」と呼ぶ。原発避難計画についての著書もある。3月、新潟市を訪れた日野さんに制度の意義と活用法、原発行政の問題点を聞いた。(論説編集委員・仲屋淳)
-役所の監視に有効な情報公開制度の意義をどう考えますか。
「民主主義の根幹である選挙では、1票を投じる前に判断材料となる情報が有権者に提示されていなくてはならない。しかし、今の日本の行政が、国民が政策の是非を判断する材料となる情報を出しているかは疑問だ。行政は結論と、結論の宣伝しか公表しない。結論に至るまでには無数の選択肢があるはずであり、選択の理由を示す情報を役所が提供しないと、民主主義社会は成り立たない」
-選択の過程が記録されているのが公文書であり、それを手に入れる手段が情報公開制度ですね。
「自分が心がけているのは役所に『証明責任』を果たさせることだ。事実ではなくとも、説明さえすれば『説明責任を果たした』と言い張る政治家や役人がいる。『証明責任』は公文書を根拠に、政策の正当性を役所に証明させること。情報公開請求は住民側から行政に直接ボールを投げる唯一の正攻法だ」
-住民は気軽に制度を利用するべきですね。
「居住している自治体の事業に秘匿性の高いものがあり、大事なことが公表されていないと感じたら、情報公開請求をする。一人一人が実践して、情報公開制度という民主主義のインフラをメンテナンスすればいい。それこそ民主主義の実践だ」
-報道機関でも情報公開制度を使ったことがない記者がいます。
「事実を積み上げて物事を解明するのは記者の基本的な仕事で、正当な取材方法だ。時間がかかることを承知の上で、目的を明確にして使えばいい。心配なのは、請求したものの特ダネが見つからず、情報公開請求は取材に使えないと言い出す人が出ることだ。役所に証明責任を果たさせる作業は取材においても必要だ」
-毎日新聞の記者時代、原発取材に力を入れましたね。
「福井県敦賀市での勤務時、原発を巡る金の流れを取材した。原発行政の欺瞞(ぎまん)性は深すぎて際限がなく、...











