
31日投開票の知事選では、無所属現職の花角英世さん(68)が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認した経緯が争点の一つとなっている。「信を問う」としていた花角さんが再稼働を容認し、県議会に判断を委ねた方法を巡り、県民の間にはさまざまな意見がある。既に原発は4月に営業運転を再開しているが、17日までに県内各地の街頭などで候補者の演説を聞いた有権者らからは、手法に対する賛否や「原発が動いてからも活発な議論をしてほしい」といった声が聞かれた。
花角さんは街頭で「(再稼働について)多くの県民の意見を丁寧に聞いた。心配や不安、期待の声もある中で結論を出した」と経緯について説明。今後は原発事故時の避難計画の実効性を高めていく考えを示している。
就任当初から再稼働に関して「信を問う」としてきた花角さん。県民の意思を直接問うよう求める声もあったが、再稼働の是非を問う県民投票条例案は2025年4月に県議会で否決。最終的には25年12月の県議会に自らの容認判断を諮る方法で、議会側が認めた。
花角さんの演説を聞いていた人たちの中でも意見は分かれる。上越市の無職男性(82)は「原発問題は専門性が高く、一般市民には難しい。県議会で議論してもらった知事の判断は正しいと思う」と賛意を示した。一方、新潟市北区の主婦(82)は「県議会に諮る形では分かりにくかった」とし、花角さんの判断について「演説でもう少し詳しく聞いてみたかった」と口にした。
知事選では、無所属新人で立憲民主党前県議の土田竜吾さん(38)が、県議会に判断を諮った花角さんの一連の政治姿勢を批判。あらかじめ住民投票に必要な手続きを決めておく「常設型県民投票条例」の制定を公約の目玉に据え、争点化を図っている。
土田さんは柏崎刈羽原発が立地する柏崎市などでの街頭で、花角さんの判断について「職を賭(と)して県民に信を問うと言いながら、県議会に判断を委ね、約束を反故(ほご)にした」と手法を批判。原発に依存しない社会を目指すと強調した。
演説を聞いた柏崎市の主婦(64)は「信を問う方法は県民投票だと思っていた。県民の意思をくみ取った政治をしてほしい」と、意思表示の場がなかったことへの不満を口にする。
柏崎刈羽原発6号機は営業運転を再開し、1カ月がたったが、福島第1原発事故を起こした東電に対する県民の不信感は根強く、事故対策や避難への関心は高い。
新潟市西区のパート従業員(38)は「再稼働問題は暮らしの安全に直結する問題。県民が改めて原発に関心を持つきっかけになる知事選になればいい」と、活発な論戦を望んだ。
知事選には無所属新人で元五泉市議の自営業安中聡さん(48)も立候補し、柏崎刈羽原発の停止・廃止などを訴えている。...








