
県内のクマの推定生息数が2025年度の調査で8747頭(中央値)と過去最多になったことが10日、県のまとめで分かった。24年度までは千頭台で推移しており、急増した形だ。県は、算出に用いる捕獲数や出没数の増加が影響して数値が上振れした可能性があるとし、今後検証する。一方、捕獲などの対策はさらに強化する方針だ。
県庁で10日に開かれた県鳥獣被害対策本部会議で報告された。村上市や上越市など各地に設けた120台のカメラに映った頻度、出没や捕獲の数を総合的に考慮し、統計的に算出した。25年度の中央値は8747頭で推定幅は4534〜1万7470頭だった。
推定生息数は、クマの個体数管理や対策を行う上で重要な情報となる。現行の推定方法になった22年度以降、中央値は千頭台で推移しており、24年度の1378頭から約6倍に増えた=グラフ参照=。25年度はクマの出没・目撃件数が過去最多の3528件、捕獲数も過去最多の1005頭で数値を押し上げた一因になった。
クマなどへの対応を協議した県鳥獣被害対策本部会議=10日、県庁
県は10日の会議で数値の検証が必要としつつ、「これまでの推定よりも生息数が増加している可能性が高い」との認識を示した。会議のメンバーでクマの生態に詳しい新潟大の箕口秀夫名誉教授は、近隣県との比較などから「推定には限界があるが、驚く必要はない数字」と一定の妥当性を認めた。
県は、26年度に国が行う調査と連携し、精度を高める方針だ。クマへの対策として、市町村や猟友会と協力して時期や地域の偏りなく捕獲を行う。調査用カメラを2倍の240台に増やし、河川のやぶなどの除去範囲も拡大する。さまざまなメディアを通じた注意喚起にも力を入れる。
また、県が3〜5月に初めて実施した春の捕獲では35頭、市町村の取り組みを含めて計54頭を捕獲したと正式な報告があった。
県鳥獣被害対策支援センターの小根沢元浩所長は会議後の取材に「クマの分布域が広がっているのは事実だ。対策をしっかり強化していく」と話した。
◆一撃受けたら…「命は助かっても回復容易でない」
県が2025年度の県内のクマ生息数を前年度の約6倍と推定し発表した10日、各地の猟友会などの関係者は、...




