梶光一氏
梶光一氏

【2023/03/09】

 人口減少が進み、人の居住域と野生動物の世界との境界線が薄れている。人と獣が共存していくには、どうすればよいのか。野生動物の適正管理を研究する東京農工大名誉教授で、兵庫県森林動物研究センター所長を務める梶光一さん(69)に聞いた。

-新潟県内でも20年ほど前からイノシシが目撃されるようになりました。

 「日本は戦後、木材需要に対応するため、各地で針葉樹を植えていった。一方で、芝刈りやまきの確保をしなくなり里山は活用されなくなった。安い外国産木材の輸入で林業も衰退した。このため、日本の国土は過去数世紀の中で最も緑地が多い状態で、動物の生息域が広がるのは必然ともいえる」...

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