新潟県新発田地域振興局発注の工事の入札を巡る官製談合の疑いで、地域振興局へ捜索に入る新潟県警の捜査員=9月20日、新発田市豊町3
新潟県新発田地域振興局発注の工事の入札を巡る官製談合の疑いで、地域振興局へ捜索に入る新潟県警の捜査員=9月20日、新発田市豊町3

 新潟県新発田地域振興局発注の農地区画整理工事入札を巡り、予定価格を事前に業者に漏らしたなどとして、県職員ら3人が逮捕された官製談合事件。新潟県が発注した2022年度の農地関係の事業契約のうち、県内の地域振興局の中で新発田が最多だったことが9月27日、分かった。新発田地域振興局では唯一、土地改良などの農地事業を専門とする農村整備部が独立して存在し、農地関係工事の需要の多さがうかがえる。

 新潟県の農地部は、ほ場や用排水路の整備など、農業関係のインフラ整備を所管している。県庁の本庁ではこうした事業の予算管理などを担い、県の出先機関である各地域振興局では、工事の発注などを行っている。

 各振興局では農林部門と農地部門が一緒になっているが、逮捕された前農村整備部長が勤務していた新発田地域振興局では、農地関係の事業を扱う部として農村整備部が、県内12の振興局で唯一、独立している。現行体制に移行する際、農地基盤整備が遅れ、農地関係工事の需要が多い地域が含まれていたことが背景にある。

■    ■

 新発田地域振興局の農村整備部と、農業振興部の統合が...

残り706文字(全文:1256文字)