手際よく調理するボランティアのメンバー=新発田市大栄町2
手際よく調理するボランティアのメンバー=新発田市大栄町2

 新潟県新発田市のフードバンクしばたが、ひとり親家庭などに向けた弁当事業を始めて3年がたつ。ボランティアのメンバーが週に一度、約30食分を作って無料で提供しており、毎回抽選となるほどの人気だ。メンバーたちは「夕食の準備を省き、だんらんの時間に充ててもらえたらうれしい」と張り切っている。(新発田総局・三浦穂積)

 弁当事業は2021年2月に始まった。発案者で、毎週メニューも考案する広瀬あゆみさんを中心に切り盛りしている。

 きっかけは、フードバンクしばたがかつて新発田市内で運営した子ども食堂での経験だった。経済的に困窮した家庭が目立たないように、誰でも利用可能としたが、回を重ねるごとに困窮家庭の利用が減ったという。

 広瀬さんは「いつしかママ友たちのたまり場のようになった。経済的に困っている人たちは居づらいように見えた」と振り返る。

 支援が必要な人にダイレクトに食事を届けたい。広瀬さんらは子ども食堂をやめ...

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