大相撲夏場所千秋楽の5月26日、小結大の里がデビューからわずか1年で初優勝を遂げた。2年連続でアマチュア横綱に輝き、鳴り物入りで角界入りした23歳の大器。その強さの原点は、親元を離れて石川県から新潟県に渡り、厳しい鍛錬を積んだ中高6年間に凝縮されている。
小学生時代は全国大会で好結果が出ず「何かを犠牲にしないと強くなれない。場所を変えて頑張りたい」と希望した。中学から指導した新潟県糸魚川市・海洋高校相撲部の田海哲也総監督(63)は「本当に相撲漬け。だからこそ、ど根性と底力がある」と述懐する。
一日60〜70番の申し合いをこなし、稽古後は夜道を2〜3キロ走って道場から寮まで帰った。192センチ...
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