
神戸大学大学院国際協力研究科の木村幹教授
世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録が決まった新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」。審議を行った7月27日の世界遺産委員会では「朝鮮半島出身者が強制労働させられた場だ」として反発していた韓国も反対せず、全会一致での登録が実現した。背景には、相川郷土博物館で朝鮮半島出身の労働者に関する常設展示が設けられたことがある。労働環境の過酷さなどを伝える一方、「強制」という言葉は使っていない。日韓双方の妥協点を探った今回の結論を地元はどう捉えるべきか、日韓関係に詳しい神戸大学大学院国際協力研究科の木村幹教授に聞いた。(報道部・中山朝子)
-今回の登録をどう見ますか。
時間はかかったが、最終的に軟着陸できた印象だ。「強制」と...
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