映画「春、阿賀の岸辺にて」の一場面
映画「春、阿賀の岸辺にて」の一場面

 映像作家小森はるかさん=新潟市秋葉区=が監督を務めたドキュメンタリー映画「春、阿賀の岸辺にて」(2025年)が6〜12日、新潟市中央区の新潟・市民映画館シネ・ウインドで上映される。半世紀にわたって新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。被害者の支援に奔走してきた旗野秀人さん=阿賀野市=の活動を描く。劇場公開は全国初となる。

 小森さんは新潟水俣病被害者の日常を追った「阿賀に生きる」(1992年、佐藤真監督)に感銘を受け、映画製作の発起人である旗野さんと交流。2016年から撮影を始め、...

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