新潟日報朝刊で好評連載中の遠藤麻理さんのコラム「なんとかなる」が、デジタルでもご覧いただけるようになりました。デジタル限定で過去のバックナンバーもこちらで順次再掲していきます。

 わんばんこ!

 この挨拶にピンときた方は、落語家の笑福亭鶴光師匠のファンですね。

 現在77歳の師匠。「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」を担当したのが1974年で、現在も「鶴光の噂のゴールデンリクエスト」を担当されていますから、昨年がラジオパーソナリティー歴50周年です。師匠のオールナイトニッポンは、1日に1万通のはがきが番組に届いたという伝説の番組でした。

 でも私が師匠と出会ったのは、ほんの2、3年のことです。いつもよりも帰りが遅くなったある日、帰りの車の中でラジオのスイッチを入れると、そこで流れていたのが鶴光師匠の番組でした。

 「わんばんこ!」の挨拶の後「鶴光でおま!」と続き、その後、パートナーの「お美和子さま」こと田中美和子さんと共に繰り広げる下ネタのオンパレード。リスナーの投稿も容赦ない内容で、喜ぶ師匠をお美和子さまがたしなめる、そのギリギリで絶妙なやりとりにゾクゾクすると同時に、ラジオでこんなに笑ったことないってくらい笑っていました。

 それから楽しみに聴くようになったのですが、師匠の下ネタは年季が入っているだけあって、ちっとも下品ではなく、むしろ上品なエロ、その声色と話しぶりから上質な大人の色気を感じます。

 先日、念願叶(かな)ってインタビューをさせていただきましたが...

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