～雇用方法の見落としで、追徴課税の発生や付加金支払いのリスクも～
株式会社Matchbox Technologies（本社：新潟県新潟市中央区、代表取締役社長：佐藤 洋彰、以下当社）は、企業や自治体が簡単に独自のスポットワークプラットフォームを構築し、1日・数時間単位での柔軟な働き方を実現するクラウド型システム「matchbox（マッチボックス）」を提供しています。
現在、スポットワークにおいてさまざまな働き手の権利に関する問題が取り沙汰される中、そうした労働者保護の観点の理解を深めるため、当社は9月11日（木）12:00～13:00に、社会保険労務士の寺島有紀氏、税理士であり社会保険労務士の櫻井達也氏の2名の専門家をお招きし、スポットワーク雇用における「税区分」「休業手当」に関する法令違反リスク、および具体的なリスクへの対応策についてのオンラインセミナーを開催しました。
また、多くの反響をいただいたことから、セミナーのアーカイブ動画と配布資料を一般公開しました。
アーカイブ動画はこちらから：https://b.mxbx.jp/seminar2_archive_matchbox
セミナー資料はこちらから：https://b.mxbx.jp/seminar2_material_matchbox
※資料配布は予告なく終了させていただく場合があります。
■セミナー概要
スポットワークによる柔軟な即戦力人材の活用は、繁忙期や急な欠員対応に有効な一方で、現場では「いつのまにか法令違反」を招くリスクも増えてきています。
特に注意すべき点は、日雇い労働者の「税区分」と、事業者都合による採用キャンセル時の「休業手当」支給義務です。不適切な対応は、「追徴課税」の発生や「付加金」支払いのリスクとなるため、各種法令に準拠した適正な運用方法を理解することが重要です。
税理士によるスポットワーカー雇用における税区分判断のポイント
セミナーの前半では、税理士である講師の櫻井氏によって、税区分の正確な判定の重要性と実務のポイントの説明がありました。
ースポットワーカーへの給与支払いには、所得税の源泉徴収と納付が必須
企業がスポットワーカーを雇う場合、所得税の源泉徴収と納付が必要となります。また、源泉徴収区分は、従業員・求職者の雇用形態に応じて異なるため、雇用者ごとに正確な区分設定が求められます。源泉徴収金額の計算には国税庁により毎年更新される「給与所得の源泉徴収税額表」を用いますが、「源泉徴収税額表」には「月額表」と「日額表」の二種類、各表の中には「甲」「乙」「丙」（丙欄は日額表のみ）の欄があり、雇用者ごとにどちらの表のどの欄を適用するのかという区分の判定が必要になります。
フローチャートを基に細かく説明いただきました。
ースポットワーカーに継続して二ヶ月を超えて給与の支給をする場合は、日雇賃金の例外に
スポットワークの場合は基本的に「日雇賃金」に該当するため「日額表・丙欄」を使用することが一般的ですが、「日雇賃金」には例外も存在します。税理士である講師の櫻井氏は「スポットワークの場合でも、継続して二月（ふたつき）を超えて給与を支払う場合には例外となり、『日額表・丙欄』が適応できなくなるため留意が必要」と話しました。誤った税区分のまま「日額表・丙欄」で雇用を続けていると、本来徴収・納付すべき税額が不足し、そこに罰金等を含めた税務リスクが発生することとなります。
社労士によるスポットワーカーに関する休業手当等の法的解釈について
後半は、社会保険労務士の寺島氏によって、スポットワーカー雇用における休業手当などの適用の際の法的解釈についてケーススタディを交えた説明がありました。
ースポットワーカーにも休業手当の支払いは必須。休業手当は「平均賃金の60％以上」
スポットワーカーは企業と直接雇用契約を結ぶため、正社員等と同じく「労働基準法等の各種労働法が全般的に適用される労働者」です。社労士である講師の寺島氏は「スポットワーカーに対してこれらの義務がなくなるということはなく、法整備の拡充により規制が厳しくなる可能性もある」と話しました。スポットワークでは、一般的に「事業主が掲載した求人に求職者が応募した時点で労働契約が成立する」とされ、就労決定後に事業主都合で休業させる場合は、労働基準法第26条に基づき「平均賃金の60％以上の休業手当の支払い」が義務付けられています。
ー実務上のポイントとなる「使用者の責に帰すべき事由」の判断基準とは
休業手当が発生するケースは、「使用者の責に帰すべき事由による休業」の場合とされ、これは一般に「企業の経営者として不可抗力を主張し得ないすべての場合」とされます。ここでいう「不可抗力」とは、「事業の外部より発生した事故」かつ「経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故」とされており、「休業させる理由の原因が会社に責任があるか否か」が重要なポイントとなります。
■参加者の感想
・税区分と休業手当の考え方について勉強になった
・受け入れる側として把握すべき事項を聞くことができ参考になった
・休業手当に関する内容や労務上の整備ポイントが参考になった など
■登壇者紹介
寺島戦略社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士
寺島 有紀 氏
一橋大学商学部 卒業。新卒で楽天株式会社に入社後、社内規程策定、国内・海外子会社等へのローカライズ・適用などの内部統制業務や社内コンプライアンス教育等に従事。在職中に社会保険労務士国家試験に合格後、社会保険労務士事務所に勤務し、ベンチャー・中小企業から一部上場企業まで国内労働法改正対応や海外進出企業の労務アドバイザリー等に従事。また、保険会社主催のセミナーや人事業界紙での執筆等にも携わる。
現在は、社会保険労務士としてベンチャー企業のIPO労務コンプライアンス対応から企業の海外進出労務体制構築等、国内・海外両面から幅広く人事労務コンサルティングを行う。
櫻井税理士・社会保険労務士事務所 代表
税理士・社会保険労務士
櫻井 達也 氏
青山学院大学 法学研究科 修了。高校卒業後、税理士事務所にて勤務。事業会社に転職後、経理財務部門で上場準備経験。上場後、経理・総務・人事労務・内部統制業務など、バックオフィス業務を幅広く経験し、海外子会社監査役、経理財務・IR分野の担当執行役員に就任。
その後、大学院への進学と税理士法人・社労士事務所での勤務を経て、独立。
株式会社Matchbox Technologies
執行役員CSO 兼 matchbox事業本部長
千葉 寛之
上智大学 理工学部を卒業し、(株)インテリジェンス(現パーソル)にて転職サイト事業立上を経験。 2019年から現職。流通・小売・外食業界を専門領域としつつ、事業を牽引。
私たちマッチボックステクノロジーズは、デジタル技術を活用し、「誰もが柔軟に働ける社会」の実現をめざしてまいります。
以上
「matchbox（マッチボックス）」について
「マッチボックス」は、スポットワークの管理内製化を可能にするセルフソーシング(R)︎型のHRプロダクトです。現役従業員に加え、アルムナイ（退職者）や登録制アルバイト、一度雇用したスポットワーカーなどを、企業に合わせて開発したシステム内にメンバー登録することで、自社独自の人材プールを構築し、採用にかかる時間やコストを大幅に削減します。また、採用から給与労務までの全ての工程を、システムを通じて簡単に一元管理することができるため、業務の効率化にも最適です。事業所側が信頼できる人材を選定することを可能としたほか、求職者側への配慮として休業手当の自動支給や企業への与信調査などを行うなど、企業側と働き手の双方に対してフェアで安全なサービスをめざしております。マッチボックスは、企業と働き手の信頼関係をベースとしたコミュニティの構築により、あらゆる人が柔軟に働ける環境を実現させています。
「マッチボックス」サービスページ：https://business.matchbox.jp
「Matchbox Technologies」について
私たちは、「雇用主も従業員も無理なく、自分らしく働けるセカイ」の実現をめざし、「企業の柔軟な職場環境づくりを、テクノロジーで実現する」というミッションのもと、企業や地方自治体の抱える人材課題の解決を支援しております。2020年から、企業や地方自治体が簡単に独自のスポットワークプラットフォームを構築し、1日・数時間単位での柔軟な働き方を実現できるクラウド型システム「matchbox」の展開を開始し、これまでに10,846の事業所に導入しています。また、新潟県や大阪府をはじめとする9府県58市町村に、自治体独自のスポットワークプラットフォームとして提供しています。私たちは、資本力の差による競争に巻き込まれるのではなく、本来注力すべき「社会課題の解決」に注力し続けたいという思いから、知財戦略を重視しています。現在、スポットワークおよびセルフソーシングに関する特許を国内外に40件以上出願しており、基本特許を含む16件の特許を取得済みです。私たちは、スポットワークの柔軟性と信頼できる人材コミュニティの構築を両立させる新しい働き方のスタンダードを世の中に広く伝えていき、またその第一人者として、今後ともコンプライアンスを遵守した安心安全なサービスの研究開発を進め、社会課題の解決に努めてまいります。
企業ページ：https://www.matchboxtech.co.jp/about-us
「マッチボックス」関連ニュースレター：https://b.mxbx.jp/matchbox_newsletter_ss
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