盛岡市中心部の河川敷を移動するクマ=10月

 北海道と東北6県のクマによる人的被害が直近5年間で396件になり、2006〜10年度から約2倍になったことが26日、分かった。環境省が持つ20年分のデータを共同通信が分析した。住宅街で餌を探す「アーバンベア」の脅威が深刻化し、人とのすみ分けに向けた環境整備が課題となっている。

 多くのクマが生息する東北では近年、主な餌となるブナの実の不作が重なった。専門家は「過疎化で増えた耕作放棄地などにクマが入り込み、生息域が広がっている」と指摘。中長期的にも出没増が続く恐れがあるとみる。

 全国の被害は、20年間の累計で1941件に達した。死者は59人で、...

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