オーエムネットワーク株式会社
シフト管理システム「R-Shift」の導入から6年。業務システムの一部として定着させたゲオストアのシフト術に迫る。




全国約2,000店舗を展開するゲオグループでは、店舗規模や業態が大きく異なる中で、その作業に応じた人員配置を行う「稼働計画」「作業割り当て」が経営の重要課題となってきました。しかし、かつて作業計画やシフトは個別に作成されており、店舗間で基準も異なるため、作業量の可視化やエリア単位での分析は困難な状況にありました。そこでゲオストアは、各作業ごとの作業定義の標準化と全作業の計測を実施し、人時算出の精度を徹底的に高めた上で、レイバースケジュールプログラムを実践するためのシフト管理システム 「R-Shift」を導入。稼働計画と作業割り当てを作業単位で管理できる仕組みを全店で運用可能にしました。その結果、シフト作成の精度とスピードは大幅に向上し、店長がマネジメント業務に専念できる環境も実現。
稼働計画と作業割り当ての仕組みとは
その日出勤した人に仕事を割り振るのではなく、あらかじめ必要な作業と作業量を算出し、それに合わせて人を配置する仕組みを「稼働計画」「作業割り当て」と呼んでいます。店舗規模や業態が大きく異なる中で、店舗ごとに必要な作業量を見積もり、その作業に応じた人員配置を行うことは、ゲオストアにとって全国店舗の生産性を底上げする最重要のインフラといえます。


なぜゲオストアは、ここまで“作業起点”にこだわるのか。その背景にある考えと実践の過程を、担当部署に聞きました。


株式会社ゲオホールディングス
グローバル業務システム部 業務システム改善課
メンバー:
村山恭平氏
佐伯壱磨氏
牧野弘尚氏
開米宜隆氏



ゲオストアにおけるR-Shiftを核とした稼働計画、作業割り当ての導入を担当した部署。現在はセカンドストリートへの稼働計画、作業割り当ての導入を担当している。(2025/12/3時点)

ーーーシフト管理において、どのような課題があったか教えてください
システム導入以前の2019年ごろまでは、作業計画やシフトはエクセルで作成していましたので、毎月シフト作成に時間を要していました。さらに、エクセルでの集計は困難なため店舗間で比較できないエリア単位の分析ができないという問題が顕著でした。
日々の作業指示においては、紙にToDoリストを起こしたりその日その場で指示をするような運用でしたので、作業割り当て表の導入も検討していました。エクセルをテンプレート化して、数店舗でテスト運用をおこなっていましたが、「1日・7~8人の作業割り当てを行うのに1時間弱かかる」 という負荷の大きさから、全店での運用を断念し各店に任せている状況でした。

ーーーR-Shiftを活用した稼働計画・作業割り当てを導入したことで、どのような変化が生まれたのでしょうか?




ゲオストアでのR-Shift の導入により、スタッフは「今日自分が何をするのか」を即座に把握でき、個々人が計画的に業務ができていると実感しています。一方管理側としては、これまで店舗ごとにバラバラだった作業計画やシフト作成の方法が全国共通の形式に統一され、作業量に応じた人時を正確に可視化できるようになりました。本部からの作業指示も作業単位で明確に配布されるため、店長は必要な作業量を迷いなく把握でき、作業割り当て漏れも防止されています。



その結果、シフト作成や割り当て業務の負担が大幅に軽減され、店長が本来のマネジメント業務に時間を使えるようになったことが、最も大きな変化だと感じています。

具体的には、その日ごとに“どんな作業”“だれに”計画されているかが可視化されているため、その采配についてエリアマネージャーが目視でき、店長と会話ができるのです。



数値的な部分で言うと、エクセルでのテスト運用でかかっていた時間と比較して、ゲオストアで1日の作業割り当て作成はおおよそ1時間→10分へ短縮、シフト作成時間もおおよそ4時間→2~3時間へ短縮できましたが、単に「シフトが早く作れる」というレベルではなく、必要な時間に必要な人を配置することがR-Shiftの導入により実現できました。

ーーー当初の課題が解消され、目的が達成されたということでしょうか?
そうですね。理想とする形の基盤は構築できたと思っています。
ただここまでたどり着くまでには、決して平坦ではないプロセスがありました。店舗ごとに規模や運営状況が異なる中で作業量を標準化するため、導入と同時に全作業に対して計測可能なものについては計測し、人時の基準値を設定するところから着手しました。

さらに、どこからどこまでを1つの作業とするのかを明確に定義し、その内容をマニュアルとして全店舗に展開しました。システムの導入展開時は、エリアマネージャーへ丁寧に説明を繰り返して“理解者”を育成し、その後店長へと浸透させながら現場で確実に運用できる体制を整えました。こうした組織的で地道な取り組みにより、R-Shiftと共に“共通作業そのもの”が全国の店舗へ定着する仕組みを作り上げることができました。

ーーー稼働計画、作業割り当てが定着した中で、現在の課題や今後の展望について教えてください。
ゲオストアで確立された稼働計画、作業割り当ての仕組みを、グループ店舗であるセカンドストリートに合わせた形で展開を進めている最中です。基本となる「作業量を算出し、それに応じて人を配置する」というスタンスは共通していますが、セカンドストリート特有の課題として、ゲオストアよりも買取件数に応じたその後の変動的な作業が多くなる点があります。日々の変化が激しいため、作業起点で計画を立てる際には、前日に目視で作業量を見積もり、作業割り当てを作成する必要があり、ここがゲオストアとは異なる調整が必要なポイントです。今後はゲオストア同様にセカンドストリートに合わせた稼働計画、作業割り当てを定着させていくことが大きな目標です。

ーーー貴重なお話ありがとうございました。

■インタビュアーコメント

今回の取材で改めて、ゲオ様の信念の強さを感じました。私もこれまで多くのお客様と運用の立ち上げをご一緒させていただいて分かるのですが、ここまで軸をブラさずに店舗定着を徹底するのは言うほどやさしくはないと思います。ゲオ様もすべて完璧にこなせているとは思っていないとは思いますが、1.全作業の定義、2.作業起点のシフト作成、3.全国店舗への度重なる説明。これらが高度かつ確実に実行されている企業は、国内ではまだ多くありません。まさに“稼働計画、作業割り当て実践のお手本”として、今回の記事が同じ課題を抱えている多くの店舗運営部様に届いてほしいと思います。
お手本としてほしい場所は、テクノロジー導入ではなく、「現場に理解される仕組みづくり」と「本部が意志を持って設計した運用」にあると認識したインタビューでした。



浅川拓摩(戦略企画部 マネージャー)R-Shiftの運用立ち上げ業務の経験を活かして、現在はプロモーション業務を軸に活動。

「R-Shift」は、稼働計画、作業割り当てを実践するための要素が詰まったシフト管理DXツールです。
シフト作成の効率化を通じて、より多くの時間をお客様と現場に。
ぜひ詳細はR-Shift公式サイトをご覧ください。




【会社概要】

会社名:オーエムネットワーク株式会社
所在地:新潟県新潟市中央区
代表取締役社長:山岸真也
事業内容:業務システム開発、シフト管理システム「R-Shift」
提供Web:https://www.omnetwork.co.jp/




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