「12・22忘れない」とのメッセージがあるイルミネーションの前で、ミライトの思い出を語る本間寛道さん(左)と木島嵩善さん=糸魚川市大町2の潮風市民公園
「12・22忘れない」とのメッセージがあるイルミネーションの前で、ミライトの思い出を語る本間寛道さん(左)と木島嵩善さん=糸魚川市大町2の潮風市民公園

 2016年12月に糸魚川市の糸魚川駅北側で発生した糸魚川大火から22日で9年になる。かつての被災跡地では今年もイルミネーションイベント「いといがわミライト」が開かれている。大火の記憶を継承し、復興のシンボルにしようと被災した市民が始め、毎年続けている。11月には大分市佐賀関で大規模な火災が発生した。主催団体のメンバーは「糸魚川も復興へ頑張ってきた。今は大変な時期だが、大分の人たちも前を向いてほしい」と願う。

 (糸魚川支局長・白石晋一)

 「大火はまちを一変させた。今は子どもたちの笑顔が生まれた」

大火の記憶をつなごうと続けられているイルミネーションイベント=糸魚川市大町2の潮風市民公園

 大火後の18年からミライトを続けてきた市民団体「EKIKITA WORKS(エキキタワークス)」の中心メンバーで、いずれも会社社長の木島嵩善(たかよし)さん(43)と本間寛道さん(45)は、これまでの取り組みを思い起こす。

 大火では駅北側の計147棟が被害にあった。木島さんは自宅と職場を、本間さんは職場をそれぞれ失った。2人がワークスを立ち上げたのは18年。「大火から復興し、20年後も30年後もにぎわう地域にしたい」と、駅北地区に住まいや職場がある15人が集まった。

「12・22忘れない」とのメッセージがあるイルミネーションの前で、ミライトの思い出を語る本間寛道さん(左)と木島嵩善さん=糸魚川市大町2の潮風市民公園

 ミライトは「未来」と、光を意味する「ライト」を組み合わせた造語だ。まちの未来を明るくしようと、18年に...

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