株式会社シノプス
精肉のダイナミックプライシングなど、年間約1億円以上の効果を示唆

需要予測自動発注サービスを提供する株式会社シノプス(本社:大阪府豊中市、代表取締役社長:岡本 数彦、以下「シノプス」)は、九州熊本に店舗を展開する株式会社ロッキー(本社:熊本県上益城郡、代表取締役社長:竹下 慎一、以下「ロッキー」)が農林水産省の「令和6年度食品ロス削減緊急対策モデル支援事業」に採択された実証実験において、パートナー企業である株式会社アールミート(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:竹下 彰、以下「アールミート」)、株式会社ソリマチ技研(本社:新潟県長岡市、代表取締役社長:反町 秀樹、以下「ソリマチ技研」)、西日本イシダ株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:丸本 崇、以下「西日本イシダ」)と共同で、食品ロス削減に向けた実証実験を2025年4月から10月まで実施しました。シノプスが提供する需要予測サービス「sinops-R」を活用した本実証実験では、ロッキーにおける精肉の原材料発注・製造計画の効率化と、消費期限に応じて価格を自動で設定するダイナミックプライシング*¹ を導入し、食品ロス削減と業務効率化を目指しました。
その結果、精肉の原材料発注・製造計画の効率化の実証では、製造段階の食品ロス3.0%削減、店舗のロス率1.56pt減少、金額にして4,400万円相当の削減効果が期待できると推計されています。また、ダイナミックプライシングの実証では、店舗販売段階のロス率1.3pt減少、値引工数83.3%削減するなど、金額にして9,900万円相当の削減効果があると推計されています。これらの取り組みにより、製造・販売の両面で食品ロスの改善と業務効率化の大きな効果が期待できます。

*¹ ダイナミックプライシング(dynamic pricing):需要や供給状況に応じてリアルタイムで価格を変動させる価格戦略。

実証実験を行った店舗の精肉売り場

■ 背景
日本国内で発生する年間約464万トンの食品ロスのうち、約231万トンは事業者から排出されています*²。食品ロスを抜本的に削減するには、てまえどりやフードドライブといった店舗での対策だけでなく、製造プロセスまで遡った取り組みが不可欠であり、その鍵となるのが需要予測技術です。
近年、食品小売業では、作業負担軽減や品質統一を目的に、精肉などの生鮮品の仕入れ・加工・包装をPC(プロセスセンター)*³ で一括管理するケースが増加しています。しかし、PCでは小売業の発注に備えて、あらかじめ原材料を仕入れる必要があります。PCは店舗の「見込み発注数」を基に製造・加工計画を立てるため、正確な需要予測が難しく、過剰な仕入れや生産が食品ロスに直結するという構造的な課題を抱えています。また、PCから納品された商品は店舗の買取となるため、廃棄を防ぎ、粗利を確保するためには、余剰在庫に対して適切な値引きが欠かせません。しかし、値引きの判断が担当者の経験に依存し、作業負荷の高さから値引処理の遅延や漏れが発生し、廃棄につながるケースも少なくありません。
本実証実験は、こうしたサプライチェーンの構造上の課題に対し、ロッキーで採用されている需要予測型自動発注サービス「sinops-R」を、製造段階(川上)と販売段階(川下)の両面で活用することで、食品ロス削減と業務効率化の同時実現を目指しました。

*² 農林水産省「事業系食品ロス量(2023年推計値)を公表」
*³ プロセスセンター(Process Center):食品小売業の各店舗で行われる生鮮食品の仕入・加工・配送を一括して行う拠点。

■ 実証実験について
ロッキーでは、2021年よりシノプスが開発・提供する需要予測型自動発注サービス「sinops」シリーズを全28店舗 *⁴に導入しており、日配食品 *⁵、惣菜、パン、冷凍食品、グロサリー*⁶、菓子、飲料、酒、雑貨、衣料品など、多岐にわたるカテゴリで稼働しています。今回の実証実験では、sinopsが未導入であった精肉カテゴリを対象に、食品ロス改善と業務効率化を目的とした2つのアプローチで検証を行いました。実証実験では「sinops-R」に精肉用のロジックを追加し、算出した需要予測情報を活用することで、以下の2つの実証実験を行いました。

実証1:需要予測情報をPCに共有し、原材料の仕入れ・製造を調整し、製造段階(川上)の食品ロス削減と業務効率化を図る。
実証2:店舗での精肉の需要に応じた値引きをダイナミックプライシングにて実施し、販売段階(川下)の食品ロス削減と値引き業務の負荷軽減を目指す。

各事業者の役割
ロッキー:実証実験の実施協力、実証実験に必要なデータの提供
シノプス:需要予測技術の提供、シミュレーション
アールミート:需要予測を連携した製造計画の立案、ラベルの貼付
ソリマチ技研:POSシステムの提供、POS情報のデータ連携
西日本イシダ:生産指示システムの提供、ラベル印刷機の提供・データ連携

実 証1:需要予測情報の製造事業者への共有による仕入調整

実証概要 ロッキーでは精肉をPCで加工・製造し、店舗に納品している。PCでの原材料発注・製造計画は店舗の経験と勘による「見込み発注数」を参考に行われており、見込み違いの在庫過多が食品ロスにつながっている。本実証では、店舗の発注見込み数を「sinops-R」によって需要予測し、その結果をPCに共有。共有された情報に基づいてPCが加工・製造を行った場合の食品廃棄量や、店舗の販売・粗利への影響を試算した。




取り組みイメージ


実施店舗 全28店舗
実施期間 2024年6月1日(土)~2025年5月31日(土)
対象部門 精肉
協力事業者 ロッキー /アールミート
対象部門 精肉
主な成果 PCの廃棄金額が3.0%削減と推計。
     店舗のロス率が1.56pt改善、粗利率0.8pt改善と試算。
     PCと店舗のロス改善で約4,400万円削減と推計。


実 証2:消費期限に応じた値引率の設定によるダイナミックプライシングの実現

実証概要 小売店舗における値引き業務は作業負荷が高く、処理遅れが食品ロスにつながる一因となる。本実証では、「sinops-R」が算出したカテゴリ別・消費期限別の値引率を売り場に掲示し、値引シールの貼付を不要にし、POSにて消費期限に応じた値引率が自動設定される仕組みを導入。販売数、ロス率、値引工数への影響を検証した。

取り組みイメージ


実施店舗 1店舗
実施期間 2025年8月25日(月)~2025年9月21日(日)
対象部門 精肉全商品(冷凍品は除く)
協力事業社 ロッキー / アールミート / ソリマチ技研 / 西日本イシダ
主な成果 店舗のロス率が1.3pt減少、店舗廃棄率が0.3pt減少。
     店舗の値引工数が83.3%削減。
     ロス額と人件費改善額で約9,900万円/年削減と推計。(全28店舗)




(左図)ダイナミックプライシング対象商品のラベル。PCでの製造段階で、ロット別生産数情報からラベルを作成。対象商品は消費期限の日付表示が白黒反転して印字。消費期限が近づくと、自動的にPOSで商品を値引きするため、値引きラベルの貼付作業は不要。






(上図)ダイナミックプライシング対象の精肉売り場値引きラベルを貼付しない代わりに、売り場に値引率の掲示やポップで自動値引の周知を実施。消費者は商品ラベルと値引きの掲示で割引率を判断。


(上図)売り場に設置された価格確認用のタブレット売り場に設置したタブレットでバーコードを読み取らせると、いくら割引が受けられるか事前に把握できる。


*⁴ 2025年4月時点
*⁵ 日配:毎日店舗に配達される牛乳、乳製品、豆腐、生麺やデザート類といった賞味期限の短い食品の総称。デイリーとも呼ばれる
*⁶ グロサリー:調味料、缶詰、ペットボトル飲料・酒類、お菓子などの常温で管理保存が可能な加工食品

■ 今後の展開
本取り組みの成果を踏まえ、ロッキーでは、精肉部門への需要予測システムの導入、および需要予測情報のPCへの本格的な共有を検討していく予定です。PCにおいては、今後は原料単位での仕入量予測も検討していきます。今後も、他店舗や、鮮魚・日配品などの他カテゴリへの展開を検討し、さらなる食品ロス、および人件費の削減を目指し、継続して取り組みを進めてまいります。

■株式会社ロッキーについて
株式会社ロッキーは、熊本県で28店舗経営しているスーパーマーケットです。生鮮食品を店で加工せず、工場で一括生産を行う「工場型スーパーマーケット」と呼ばれる戦略を推進していることを特長としております。薬局を母体として創業しており、メーカー卸会社との太いパイプによる医薬品の豊富な品揃えでお客様のヘルスケアにも対応できる強みを持っています。食料供給のサプライチェーンも、関係業者様と協力し輸送網を強化するように取り組んでおり、災害時も地域の皆さんに食料を提供できるよう日々研究を続けております。

■株式会社シノプスについて
株式会社シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、需要予測型自動発注サービス「sinops」(シノプス)を開発・販売しているソフトウェアメーカーです。日配食品や惣菜といった賞味期限が短く需要予測がむずかしいとされるカテゴリーのシステム化に成功。多くの食品小売企業に採用いただいております。在庫に関わる人、もの、金、時間、情報を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献していきます。東証グロース上場(証券コード:4428)。

■株式会社ソリマチ技研について
株式会社ソリマチ技研は、1983年創業から一貫して、流通小売業向けに「POSシステム標準化」という業界の命題に取り組んでいます。OPOS技術協議会に唯一のアプリケーションベンダーとして参加し、国内初となるOPOS準拠のPOSシステムである弊社サービス「UNITEシリーズ」をリリースするなど、業界への貢献に寄与しています。この取り組みに加え、キャッシュレス、店舗の省人化・無人化運営にも取り組み、現在は「ヒューマンオートメーション革命で、社会の◎をつくる。」をミッションに掲げ、「人(働く人)」の価値や可能性をAIテクノロジーで拡げて、より良い社会の実現を目指しています。 【公式HP】https://www.s-giken.co.jp/

■西日本イシダ株式会社について
西日本イシダ株式会社は、計量器メーカーの大手である株式会社イシダの販社として、九州・山口エリアにおける計量・包装・検査機器、店舗・物流システムなどの販売・メンテナンスを展開しています。「食のインフラ」と呼ばれるトータルソリューション提案、食品工場のレイアウト設計、生産設備のトータルエンジニアリングや、ソフトウェア開発やシステム構築を通じて、安全・安心や生産性向上、人手不足の課題解決に革新的なソリューションを提供し、食品製造・流通・小売・物流業界を中心に、自動化・省力化と DX 推進をサポートしています。

■自動発注サービス「sinops」について
日配品・パン・惣菜にも対応した需要予測型自動発注サービスです。幅広いカテゴリの発注を自動化することで小売業の生産性を向上させながら、値引・廃棄ロスの削減、利益率の改善などに貢献します。自動発注のほか、棚割修正をタブレット端末で行える「sinops-Pad」や売り場やバックヤードの在庫の賞味期限チェックが簡単に行える「sinops-Dcont」など幅広いサービスをラインナップしています。
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