岡山大学学術研究院医歯薬学域の冨樫庸介教授(44)=腫瘍免疫学・新潟市中央区出身=による、がん免疫療法に関する研究が注目されている。細胞のエネルギーを作り出すミトコンドリアに着目。がん免疫療法の効果が弱まる現象を明らかにし、日本学士院学術奨励賞を受賞した。がん免疫療法に関する研究は近年、日本人のノーベル賞受賞が続くなど注目されており、創薬や新たな治療につながることが期待される。

 受賞した研究は「ミトコンドリア伝播(でんぱ)による新たながん免疫逃避機構の解明」だ。ミトコンドリアは細胞内でエネルギーの合成を行う細胞小器官で、細胞の「発電所」に例えられる。一つの細胞に100以上存在し、独自のDNA(mtDNA)を持つ。ミトコンドリアが細胞間を移動する現象を「ミトコンドリア伝播」と呼ぶ。

 免疫細胞の一つで、...

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