~環境問題に60.7%が関心、同商品・サービスに対する追加支払い許容額は平均5.3%~

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下、当社)とNTTドコモビジネスX株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司)は20代~60代の男女1,045人を対象に「環境・森林保全に関する取り組みについての価格受容性調査」を実施しました。

その結果、環境問題に関心を持つ人は60.7%に上り、森林保全に配慮した商品・サービスの購入意向は57.7%と半数を超えました。一方で、実際に購入した人は、最多の商品カテゴリでも36.7%にとどまり、意識と行動の乖離がみられました。また、同商品・サービスへの追加支払い意向は約3割、元の商品価格に対する追加支払いの許容額は平均5.3%と、環境配慮に対する現実的な受容性の水準が示されました。さらに企業などの環境配慮活動に約4割が関心を示す一方、情報を「確認していない」とする回答が約半数を占めるなど、消費者との情報接点に課題があることも明らかになりました。


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20代~60代の男女1,045人を対象に「環境・森林保全に関する取り組みについての価格受容性調査」を実施


【主なポイント】
1. 環境問題に「関心がある」人は60.7%-森林保全配慮商品の購入意向は57.7%である一方、実際に購入した商品は最多の「紙製品、家庭紙・衛生用紙」でも36.7%にとどまる
2. 森林保全に配慮した商品・サービスへの追加的な支払い意向は約3割、元の商品価格に追加で支払いを許容できる額は平均5.3%
3. 企業などの環境配慮活動に約4割が関心―情報源は「商品パッケージ」が最多で38.9%だが、約半数は情報を「確認していない」と回答


【調査詳細レポート】はこちらからご覧いただけます:
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/260304/


【調査背景】
近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)による情報開示の動きなどを背景に、生物多様性や自然資本への注目が高まっています。生物多様性の保全は、森林や海などの自然資本が提供する生態系サービスを適切に維持・管理することで実現されるものです。

なかでも森林が担う生態系サービスは、日本では「森林の有する多面的機能」として整理されていますが、その価値はこれまで十分に認識されてこなかった側面があります。生態系サービスの低下が顕在化する中で、その価値を理解し、保全につなげていく必要性が高まる一方、定量的な評価手法は十分に確立されていません。また、企業が森林保全を含む環境配慮の取り組みを持続的に進めるためには、消費者の評価や行動が重要となりますが、消費者意識や価格受容性を横断的に捉えた調査は限られています。

そこで本調査では、森林に焦点を当て、消費者の意識、支払い意向、実際の購買行動を把握し、環境・森林保全に配慮した取り組みに対する価格受容性を明らかにすることを目的に実施しました。


【主な調査結果】

1. 環境問題に「関心がある」人は60.7%-森林保全配慮商品の購入意向は57.7%である一方、実際に購入した商品は最多の「紙製品、家庭紙・衛生用紙」でも36.7%にとどまる

環境問題への関心について全員(n=1,045)を対象に調査したところ、「関心がある」(「とても関心がある」+「まあ関心がある」)と回答した人の割合は60.7%でした。20代では半数以下にとどまる一方、30代・40代では半数を超え、50代、60代と年代が上がるにつれて、さらにその割合が高くなる傾向がみられました。
森林の保全に配慮した商品・サービスの購入意向については、「購入したい」(「そう思う」または「ややそう思う」)と回答した人(n=603)が57.7%となりました。購入理由は「環境に良いことがしたい」(55.9%)が最も多く、次いで「森林の保全に関心がある」(47.1%)でした。

購入意向があるとして選ばれた商品は「紙製品、家庭紙・衛生用紙」(65.3%)、「森林の保全に配慮したパッケージを使用した商品」(56.4%)、「飲料」(52.4%)など日常的な非耐久消費財が中心でした。実際に購入経験がある商品は、多い順に「紙製品、家庭紙・衛生用紙」(36.7%)、「飲料」(25.9%)、「森林の保全に配慮したパッケージを使用した商品」(20.1%)で、購買意欲に比べ、低い水準にとどまりました。また、購入意向はあると回答した一方で、実際には購入していないと回答した人(n=232)を対象にその理由を尋ねたところ、「価格が高い」(60.8%)が最も多く、次いで「本当に森林の保全に配慮しているかわからない」(37.5%)、「森林の保全に効果があるかわからない」(21.6%)が続きました。

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【図表1】環境問題への関心と森林の保全に配慮した商品・サービスの購入意向(SA)


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【図表2】森林の保全に配慮した商品・サービスの購入意向(SA)、購入に至らない理由(MA)


2. 森林保全に配慮した商品・サービスへの追加的な支払い意向は約3割、元の商品価格に追加で支払いを許容できる額は平均5.3%

森林保全に配慮した各種商品・サービスに対する追加の支払い意向とその程度を把握するため、全員(n=1,045)を対象に調査を実施しました。その結果、いずれの商品・サービスも回答者の約3割が追加の支払いを受容する意向を示しました。

追加的な支払い額の元の商品に占める比率が高くなるほど受容意向の回答割合は低下する傾向がみられ、「5%程度まで」が約15~18%、「10%程度まで」が約8~11%、「20%程度まで」が約3%前後でした。追加的な支払い額の比率は各カテゴリとも5%前後で、全体の平均は5.3%となりました。


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【図表3】森林保全に配慮した商品・サービスへの追加的な支払い意向(SA)


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【図表4】森林保全に配慮した商品・サービスカテゴリ別の追加的な支払い額の元の商品に占める比率(SA)


3. 企業などの環境配慮活動に約4割が関心―情報源は「商品パッケージ」が最多で38.9%だが、約半数は「確認していない」と回答

企業などの環境配慮活動のうち、関心のある取り組みについて全員(n=1,045)を対象に調査しました。その結果、「リサイクルの推進」(39.9%)、「二酸化炭素などの温室効果ガスの排出の削減」(38.4%)、「植林などの森林の保護」(36.9%)の順に多く、いずれも約4割が「関心がある」と回答しました。

次に、企業などの環境配慮活動情報の確認方法を調査しました。普段使用する確認方法としては、「商品パッケージ」(38.9%)が最多で、次いで「店舗のPOP等」(17.6%)、「CM」(17.4%)、「企業のホームページ」(14.6%)が続き、「SNS」(9.1%)は相対的に低い回答率となりました。また、「使っていない/確認していない」と回答した割合が約半数を占め、環境に配慮した取り組みに対して日常的に確認していない層が一定数存在することが示されました。

特に確認しやすい方法についても、普段使用する確認方法と同様の傾向がみられ、「商品パッケージ」(36.7%)が最多で、「企業のホームページ」(7.8%)、「SNS」(4.7%)は普段使用する確認方法以上に回答率が低い結果となりました。これらの結果から、消費者に環境配慮した取り組み情報を認識してもらう手段としては、商品パッケージが相対的に有効である一方、企業のホームページやSNSといったWEB上での情報発信は効果がやや限定的であることが示唆されました。


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【図表5】関心のある企業などの環境配慮活動(MA)

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【図表6】企業などの環境配慮の取り組みに関する情報の確認方法(MA)

【調査担当者コメント】
■ NTTデータ経営研究所 社会・環境システム戦略コンサルティングユニット マネージャー 鈴木 陽子

昨今、政策関係者、企業関係者の間では、自然資本や生物多様性への注目が高まっている中で、消費者に焦点を当て、森林保全を中心とした環境への消費者の関心や意識、実際の行動を明らかにするために調査を行いました。本調査を通じて明らかとなったのは、消費者は環境問題や森林の保全などに関心を寄せており、追加的な支払いを許容する意識はあるものの、実際の購買行動に結びつく割合は低いということです。環境課題については、関心や認知が広まっているものの、金銭を負担してそうした課題に貢献しようという行動までには至っていないことがうかがえます。

企業の環境配慮の活動を持続的なものにしていくためには、そうした活動で発生するコストを賄うことができる仕組みや戦略が必要になります。今回の調査では、価格受容性などに加え、森林の有する多面的機能について、どの機能に価値を見いだしているかなどについても調査を行っており、企業担当者や政策立案者にとって今後の戦略や施策を検討するにあたっての一助となることを願います。


【調査概要】

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【関連リンク】
NTTデータ経営研究所:https://www.nttdata-strategy.com/


【NTTデータ経営研究所について】
NTTデータ経営研究所は、1991年の設立以来、サステナビリティやヘルスケア、地方創生といった様々な領域の社会課題の解決や、企業変革の支援に向けたコンサルティングを行っています。政策や戦略の立案からプロジェクトの実行支援、新規事業の開発から実証までを一気通貫でお客様に伴走し、持続可能な成長と変革を支援します。NTTデータグループの戦略コンサルティングファームとして、多岐にわたる専門性により業界・組織を超えた連携を作り出し、未来への道筋を照らすことでお客様とともに新たな価値の創造に取り組んでいます。


<調査データについて>
回答者の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいています。
回答の構成比は、小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合があります。

<調査結果の利用について>
本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が保有します。
調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTドコモビジネスX」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはブランド推進担当までお知らせください。
調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。


本件に関するお問合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コンサルティングサポート部 ブランド推進担当(三輪、宇城)
Tel:03-5213-4016  E-mail:webmaster@nttdata-strategy.com