今季で退任するアルビレックス新潟レディースの橋川和晃監督は19日、聖籠町の新潟聖籠スポーツセンターで報道陣の取材に応じ、チームを指揮した3年間を総括した。堅守を軸に状況に応じて柔軟に攻撃を展開する「堅守柔攻」を掲げ、就任1年目はWEリーグカップで準優勝し、昨季は皇后杯で準優勝するなどタイトルに肉薄。「このクラブに来てよかった。トライしたかいがあった」と感謝した上で「チームが培ってきた良さを忘れず、バトンをつないでいってほしい」と語った。

 また同日、MF川村優理(新潟市中央区出身)の引退会見も行われた。川村はここまで支えてくれたサポーターへ感謝を述べ、「これからもっと大きいクラブになってほしい」とチームへエールを送った。

 取材での詳細なやりとりは次の通り。

橋川和晃監督が語る タイトル獲得するためには…

(今シーズンを振り返って)

ホップ・ステップ・ジャンプと2年積み上げてきた中で、今季は自分たちを超えて、タイトルを奪うっていうことに目標を掲げてやってきました。ただ、いろんなアクシデントだとか、想定外なことが起こる中で、なんとか踏みとどまったシーズンかなっていうふうに思っています。選手が目標に対して、しっかりベクトルを向けていく中で、ちょっとそれが厳しくなったときに、折れるチームもあると思うんです。けど、方法を少し変えながら、いろんな要素を変えながら、新たな変化を起こして、なんとかこう踏みとどまれたかなと思います。

(リーグ戦の戦績は9勝4分9敗で、総得点23、総失点27でした。この結果はどう捉えていますか)

失点のところに関しては、わりと堅守のところは、しっかり維持はできていたと思います。0-5とかの試合もあってちょっと崩壊したようなところはあるんですけど。センターバックとGKが抜けた形で、みんなである程度堅守は維持できたかなっていうふうには思っています。

得点に関しては、滝川(結女)がきちっと取れて、山本も6点取れたことと、やっぱセンターフォワードのところは、(新堀)華波なのか、(江﨑)杏那なのか。ああいったところがしっかり取っていく。やっぱり3強に並ぶチームは、そこらへんがもっと高い数値を示している。もちろんチームとして得点を取るような形の働きかけはこうしていく中で、最後は個の優位性っていうのがどうしてもある世界なので。そういったところがもう一つ伸びてくると得点が増えると思います。

(今シーズンでいうと、山本結菜選手が結果を残し、たくましくなった印象があります)

その通りですね。そういう意味では、ベテランが引っ張ってきた中で、若手も少し台頭をしてきた。山本は今年6得点で、去年はシュート打っても入らずでした。滝川が7得点だったので、セカンドストライカーが出てきたっていうのは大きな要素だったかなっていうふうには思います。

今季躍進したFW山本結菜

山本だけじゃなくて下吉優衣とか、白沢百合恵だったりとかも。白沢も多分1年を通じてやったのは今シーズンが初めてです。下吉も交代とかで、1年を通じてリザーブっていう風な形でした。そういった意味では山本含め、若手が少し台頭してきたシーズンだったかなというふうに思います。

ただ、自分が(調子が)いいときにはいいんですけど、警戒されますので。そこで潰されたときにどう変化を起こすっていう課題は残っているかなと思います。

(滝川選手はこの3年で、確固たる地位を築いたと思います。彼女の成長はどうみていますか)

ほんと成長しましたね。柱になったっていうふうな感じには思っています。(自分が)来た1年目もそれなりに点数取っていて。でも、「結女ちゃん」の域を超えてなかった。そんときに言ったのが、「もう『結女ちゃん』じゃだめだぞ。『滝川結女』にならなきゃいけないよ」っていうような話をして。2年目のシーズンもそれなりに結果を残した。ただ、まだまだ試合中うまくいかなかったり、自分が点数取れなかったりしたときに、イライラするところがあって。1回それを言ったら軽く無視されたこともあったんですけど(笑)。

得点を決め、サポーターの声援に応えるMF滝川結女=3月、新潟市

今年は、歯を食いしばって、ずっと筋トレしていてけがもだいぶ少なくなったし、苦しい状態のときも、最後ナホ(川澄奈穂美)がちょっと怪我で、メンバー入れなかったときに、ここしばらく最後の締めの言葉を話していて、どんな言葉を言うかなと思ってたら、しっかりした言葉を言いますね。きちっと他の選手に伝わるような、そのときの状況を踏まえた前向きな言葉を。自分だけだったのが、だんだんチーム全体のことを考えながら、ただ自分もしっかり今年7点を取って。あのポジションで7点取れれば、十分な数字です。もちろんもっと取れるところはあったので、そこは磨いていかないとだけど、3シーズン安定した形でやれるっていうのは、もう一人前だと思います。

(今季最後の試合が終わった後に、チームに伝えたことは)

発表あってから、いろんな場面場面ではいろんなことを伝えてきたんで、最後は本当に、「もう最高のゲームしてくれてありがとう」っていうこと。もうここまでやってくれたらもう本当悔いなくやってこれたし、やっぱり選手たちと過ごした時間は、やっぱりかけがえのない時間を。今いる選手たちじゃなくてこの3年間携わった選手を含めて、柳沢(紗希)なんかいつも応援に来てくれて。あと児野楓香とかも、なんのひと言もなく、ギュッってラインスタンプを送っていたんですよ(笑)。まあそういう選手たちとかけがえのない時間を過ごして、ありがとうっていう感謝の気持ちを伝えたっていう感じですね。

◆リーグ全体のレベル底上げ感じるからこそ…

(3強との差をこれから埋めていくとなったときに、どのようなことが必要だと思いますか)

1個は...

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