第9弾 新潟市

<4> 住吉行列
規模縮小も誇り失わず 格式と歴史守る決意胸に
新潟日報 2022/08/05
力強い木やりの歌が響いた。7月24日、新潟市中央区の古町ルフル広場。声を響かせたのは、規模縮小でも予定通り8月6、7日に実施される住吉行列の参加に向け意気込む「八番組」(同区)のメンバーらだった。
新型ウイルスの感染再拡大で民謡流しの中止、花火延期が決まった新潟まつり。同行列のほか、ステージイベントなどの「お祭り広場」は予定通り開かれる。

住吉行列の起源は江戸時代中期とされる。例年は海上の安全も願い、市内各地を山車や
今回、行列で歩く距離などが短くなるが長年、住吉行列に携わってきた地域組織八番組の委員長、藤井泰介さん(92)は「実施できるのは平和だからこそ。縮小でも開けるのは幸せだ」と喜びをかみしめる。
八番組のメンバーを中心に住吉行列の関係者らは今年、祭りに向けた機運を盛り上げる市民参画プロジェクトに参加した。行列の歴史や港町として繁栄してきた新潟の誇りを感じてもらいたいとの思いからだ。7月下旬の1週間、ルフル広場に山車7台を展示した。
そのオープニングセレモニーで披露した木やり歌は、「そろたよ~八番の若衆」などと歌う。祭りの開幕を期待させる音色に、道行く人々が耳を傾けた。
住吉行列は戦争や地震などで中止と復活を何度も繰り返してきた。幾度も立ち上がる歴史にあやかり、今年は疫病退散を願うという。6、7日は古町通りなど市内を練り歩く。
藤井さんは「歴史を持つ住吉行列は新潟まつりの核だという誇りがある。まつりの格式と歴史を守っていきたい」と力強く語った。(おわり)
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新潟まつりは8月5日に開幕。ただ同日の民謡流しは中止し、催しは一部の市民参画プロジェクトだけとなった。7日の花火は9月半ば以降に延期した。