孤独や不安を抱える人のため、ボランティアが24時間体制で電話相談に応じる社会福祉法人「新潟いのちの電話」(新潟市中央区)のホームページ(HP)がリニューアルした。相談案内を分かりやすくし、過去の相談例も新たに掲載。新潟県内の学生の意見も反映し、悩みを抱えてHPにアクセスした人が相談しやすいようにした。
新潟いのちの電話のHPは、立ち上げた約10年前からデザインが変わっていなかった。この間に普及したスマートフォンからの見やすさを重視し改善した。
リニューアルには、新潟医療福祉大学の学生の意見も取り入れた。多かったのは「いのちの電話がどういうものか、よく分からない」という声。初めての若い人でも相談しやすいよう、ホーム画面を見ていくと、いのちの電話の概要が分かる作りにした。「孤独や不安で悩んでいる人のための相談ダイヤル」などと説明した上で、無料で、匿名で相談でき、秘密を守ることも記した。
過去の相談例は、新潟いのちの電話の広報誌に載せた、相談員の目線で書かれた文章を転載。身近な相談例を示すことで「つらい気持ちは一人で抱え込まないで」と伝え、仕事や家庭、就職活動の悩みなど五つのケースを示した。
また、新潟いのちの電話には、これまで県内5地域の市外局番で始まる番号があったが、携帯電話からの相談が大半となったため、分かりやすいように回線を一つに変更した。HPではこの番号のほか、つながりにくい時のために新潟県内外の各種相談窓口も一覧で示した。
2022年に受信した電話は約1万6千件。新年度が始まり、環境の変化に関する悩みも増えているという。村山美和事務局長は「最初は一生懸命でも、5月にかけて疲れが出てくる。困ったな、つらいな、と思ったら、ためらわず相談してほしい」と話した。
相談は新潟いのちの電話、025(288)4343。