



「サイはお尻がでっかいな。でも本気で走ると速いんだ。突進してきたら、つぶされるな」「ライオンは百獣の王にしては、足は意外と細いね。もふもふの毛は首の回りだけか」
家族で関東のサファリパークを訪れた際、車窓から間近に眺めた動物の姿に、思いがけず声が出た。頭の中に刷り込まれていたイメージよりだいぶ荒々しく、愛くるしくもあった。


キリンやシマウマの模様はよく見るとデザイン性の高い芸術品のようだし、フラミンゴのピンク色は鮮やかで目を引いた。アメリカバイソンは堂々としながら、とにかくおいしそうに草をはんでいた。
「子どものために」と選んだ行楽地だったが、楽しんでいたのはむしろ親の方だった。


日頃、動物...
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