大技成功も割れた評価
平野歩夢選手は決勝2回目に大技「トリプルコーク1440」を含む構成をノーミスで決めました。しかし得点は91・75点と思ったよりも伸びず、92・50点を出した豪州のスコット・ジェームズ選手に0・75点及びませんでした。これには平野歩夢選手自身も「おかしいな」と感じ、世界中で疑問の声が上がりました。
平野歩夢選手の評価は採点する6人の審判の中で割れました。

主観的要素で採点
ハーフパイプの採点要素は「難易度」「完成度」「高さ」「多様性」「革新性」とされますが、これらは審判の主観的な視点で判断されます。
トリプルコークは難度が高く革新的ですが、ジェームズ選手も「スイッチバックサイド(逆スタンスで進行方向とは逆に踏み切る)」という非常に難しい技を構成に組み込んでおり、明確に「どちらがすごいか」と決めるのは難しかったのかもしれません。

逆転で金メダルを勝ち取った平野歩夢選手(左)と銀メダルのスコット・ジェームズ選手
それでも平野歩夢選手は2回目と同じ構成で臨んだラストランの3回目で、技の高さ、着地の精度をさらに高め、ジェームズ選手を逆転し、見事金メダルを手にしました。最後は笑顔で健闘をたたえ合いました。