人の生活圏に出没したクマに対し、市町村の判断で発砲が可能となる「緊急銃猟」が9月に導入されて3カ月が経過した。県内では今月5日時点で8市が計10件実施。各自治体は実施後に事例を公表しているが、報道発表するかどうかの判断は分かれている。明確なルールがないためで、対応がまちまちな状況が続きそうだ。

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 環境省によると、緊急銃猟は5日時点で全国43件となり、本県は都道府県別で2番目に多い。住民の安全が前提で、交通規制や外出しないよう周知をした上で実施する。環境省のガイドラインでは、交通規制をする場合はウェブサイトで内容を明示するといった対応を自治体に求めている。

 ただ、実施後の報道発表については決まりがなく、県内では自治体によって対応が異なる。

 阿賀野市は、10月31日に全国初の麻酔銃による緊急銃猟を行った際、報道発表した。市では「市民に危険が及ぶ状況だったということを知らせるために発表した」と説明し、次回以降も発表するとしている。

10月31日に阿賀野市で行われた緊急銃猟。麻酔を扱える関係者が現場の建設会社に駆け付けた=阿賀野市新保

 糸魚川市も同様だ。市環境生活課は「今後も対応は変わらない」とし、「避難の必要があれば住宅を回って避難誘導する」と実施前の周知徹底を強調する。

 最初は報道発表したものの、今後はしないという自治体も。...

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