2025年春の統合が決まっている全校児童21人の大積小学校。今年の6年生を送る会ではみんなでゲームやダンスを楽しんだ=3月、長岡市大積町1
2025年春の統合が決まっている全校児童21人の大積小学校。今年の6年生を送る会ではみんなでゲームやダンスを楽しんだ=3月、長岡市大積町1

 少子化が急速に進み、新潟県内では小学校の再編や統合が議論となっている。長岡、見附、小千谷の3市でも、児童数の減少は続き、児童が増える見込みのない小規模校や、複式学級への対応が問われている。各市の現状と市教育委員会の方針をまとめた。

◆[長岡市]5年で13%減の推計、保護者の意見を尊重し方向性を検討

 長岡市の2023年度の市立小学校の児童数は1万2089人(23年5月1日現在)で、長岡市教育委員会は5年後の28年度に1万493人に減ると推計する。減少率は13%だ。

 現在、市立小学校は54校で、このうち12校に複式学級がある。小学校の複式は法律に基づき、連続する二つの学年の児童が16人以下の場合に適用となる(1年生を含むと8人以下)。

 市教委によると、複式学級での学習は、少人数のため、教員が児童の理解度や苦手な分野に合わせて丁寧に対応できる良さがある。一方で、2学年分の授業が同じ時間帯に進行し、教科によっては学習指導要領とは異なる順番で学ぶ場合もあり、児童の負担になる可能性がある。

 現在は教員の工夫や努力で学びを維持している。ただ市教委は今後もこうした状況が続くのがいいのか、「教育環境を考える保護者懇談会」を20年度から開催し、保護者に考えてもらう機会を設けている。

 懇談会は今後も継続的に複式学級が見込まれ、平場にあって近隣校と比較的行き来しやすい学校を対象にする。23年度の対象は桂、石坂、深沢、宮本、大積、信条、日吉、下塩、東谷の9校。各校の全校児童数は20〜50人台となっている。

 懇談会を経て25年春に大積小が青葉台小に、下塩小も栃尾東小にそれぞれ統合される。また23年春には、上塩小が栃尾東小に統合し、閉校した。

2025年4月に統合する大積小で開かれた6年生を送る会=3月、長岡市大積町1

 懇談会は統合ありきではなく、保護者の意見が統合希望でまとまった場合に手続きを進める方針だ。長岡市学務課の青木佐土子課長は「行政主導での統合はしない。子どもの教育に一番責任があるのは保護者という考えから、保護者の意見を尊重している」と説明する。

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 見附市は...

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