稲の研究について学生と意見を交わすIRICE推進室長の藤巻義博特任教授(左)=新潟市西区
稲の研究について学生と意見を交わすIRICE推進室長の藤巻義博特任教授(左)=新潟市西区

 猛暑によるコメの品質低下や収量減少が課題となる中、新潟大(新潟市西区)が2026年4月に「国際環境コメ共創イノベーション拠点」(IRICE=アイライス=)を設置することが16日、分かった。高温や乾燥などに耐性を持つ品種開発の加速化に向け、最大年6回栽培できる研究施設をキャンパス内に建設。通常10〜20年とされる開発期間を数年に短縮して気候変動問題に対応する。

 米価が高騰した「令和の米騒動」は、23年の猛暑によって県産米などの生産量や流通量が減少したことが一因とされる。新大は高温耐性があり、20年に品種登録された「新大コシヒカリ」を開発するなど気候変動問題に向き合ってきた経験を生かし、学部横断的な組織で迅速な開発を目指す。

 農学部の山崎将紀教授がセンター長を務める。稲の遺伝子の研究者に加え、...

残り570文字(全文:920文字)