柏崎市の実家に入る蓮池薫さん親子=2004年5月23日
柏崎市の実家に入る蓮池薫さん親子=2004年5月23日

 「時間がない」。北朝鮮による拉致1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。問題で被害者家族が早期解決を訴える中、2004年の第2回日朝首脳会談2004年5月22日、小泉純一郎首相(当時)と北朝鮮の金正日総書記(当時)が平壌で会談し、02年に帰国した拉致被害者の家族5人を日本に迎え入れた。5人は蓮池薫さん、祐木子さん夫妻の子ども2人、地村保志さん、富貴恵さん夫妻の子ども3人。曽我ひとみさんの家族は、元米兵の夫ジェンキンスさんを米国が訴追する可能性があり、来日が持ち越された。曽我さん一家4人は04年7月、インドネシア・ジャカルタで再会を果たし、全員で帰国・来日した。から5月22日で20年となった。02年の第1回首脳会談2002年9月の第1回日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認め、謝罪。日朝間の不幸な過去を清算し、諸懸案を解決するなどの共通認識を確認した日朝平壌宣言が調印された。宣言で日本は国交正常化後の経済協力などの実施を明記。北朝鮮は「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」と表現した拉致の再発防止を約束した。02年10月に蓮池薫さんら5人が帰国。を経て拉致被害者5人が帰国し、第2回で5人の家族が戻ってきた。ただその後は、新潟市で拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=をはじめ、誰一人取り戻せていない。政治の力で一刻も早い解決が求められている。

 会談はともに小泉純一郎首相(当時)が訪朝し、...

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