伊藤信太郎環境相=5月10日
伊藤信太郎環境相=5月10日

 伊藤信太郎環境相は5月24日の閣議後会見で、新潟県が要望している水俣病熊本県で1956年に公式確認された病気で、その後、新潟県の阿賀野川流域でも集団発生した。毒性の強いメチル水銀を含む工場排水で汚染された魚介類を食べた人やその胎児が水銀中毒を発症し、亡くなった人も多い。症状は感覚障害や運動失調、視野狭窄(きょうさく)など。外見的な異常は現れずとも、手足のしびれや頭痛などに悩まされ続ける人もいる。の被害者救済制度の抜本的な見直しについて「行政府としては現行制度の中で最大限の努力をする」と述べ、否定的な見解を示した。

 新潟県の花角英世知事は5月22日の定例会見で、水俣病患者の認定審査公害健康被害補償法(公健法)に基づき、新潟水俣病の患者かどうかを判断するため、県と新潟市が年に数回実施。医師や弁護士らで構成し、メチル水銀に汚染された魚を食べた量や症状などから認定の可否を決める。県によると、これまでに716人を認定。2021年2月以来、認定者は出ていない。に関し「国の基準に従うと、残念ながら漏れる人がおり、終局的な解決に至っていない」と述べ、救済制度の見直しを求める考えを改めて表明していた。

 伊藤氏は...

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