有沢製作所の有沢悠太社長最高経営責任者=上越市中田原
有沢製作所の有沢悠太社長最高経営責任者=上越市中田原

 企業に女性の登用を促す「女性活躍推進法」の全面施行から来年で10年。県内企業も意識改革や取り組みは進みつつあるが「女性の管理職比率30%」など政府の示す数値目標とは大きな開きがある。女性の昇進を阻む「ガラスの天井」を破るには何が必要なのか。経営者や識者らに、女性登用への課題を聞いた。(4回続きの2)

<1>第四北越FG初の女性取締役・馬場佳子さんの挑戦、これまでのキャリア、先駆けとなった要因は?

 電子材料製造の有沢製作所(上越市)は、女性管理職比率を2年でおよそ1割から2割まで高めた。女性の活躍、登用に向け、トップはどのように制度を構築し意識改革を図るのか。有沢悠太社長最高経営責任者(CEO)=(56)=は「経営者には強い意志が必要」と強調する。

-女性登用を進めた経営者としての思いは。

 「かつてJPモルガン証券で勤務していたが、女性管理職が多いことに驚いた。経験も豊かで非常に優秀。(女性登用に)ネガティブな要素はなかったため、組織はこうあるべきだと思っていた。そんな中、2003年に入社した際は、当社に女性管理職はほとんどいなかった」

-製造業に女性管理職が少ないのはなぜですか。...

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