2012年のフジロックに出演したザ・ストーン・ローゼズ=湯沢町
2012年のフジロックに出演したザ・ストーン・ローゼズ=湯沢町

 日本を代表する野外音楽フェス「フジロックフェスティバル」が2024年、新潟県湯沢町の苗場スキー場で25回目の開催を迎える。新型コロナウイルス感染症の流行を乗り越え、歴史をつないできたフジロック。その歩みは開催地の湯沢町と共にあった。新潟県の地方新聞「新潟日報」に掲載された記事や、紙面には載せきれなかった写真などから、歩みを振り返る。(3回続きの2)

2011年 「アトミック・カフェ」復活、YMOがメッセージ

 2011年3月11日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生した。原発事故の影響で海外の著名人の来日が中止になる時期もあったが、フジロックではコールドプレイやケミカル・ブラザーズらがヘッドライナーを務めた。初日のステージの前には震災の犠牲者へ黙とうがささげられ、会場でチャリティー活動が展開された。

 この年、80年代を最後に休止していた反核・脱原発イベント「アトミック・カフェ」がフジロックを舞台に復活した。トークには坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣、加藤登紀子らが登場し、話題を呼んだ。

 フジロックは、これまでも「自然とどう共生するか」をテーマにしてきた。11年には官民一体で会場周辺の自然を守る「フジロックの森プロジェクト」をスタートさせた。フェスを主催する「スマッシュ」代表の日高正博さんは、これからの「新たな夢」を新潟日報社のインタビューで語っている。

11年7月25日掲載(画像をタップ・クリックすると拡大表示できます)

2012年 ロンドン五輪イヤーに英国アーティスト集結

 2012年のフジロックは、ロンドン五輪の開幕と同じ7月27日に始まった。ヘッドライナーの顔ぶれは、オリジナルメンバーでの再結成を果たしたばかりのザ・ストーン・ローゼズ、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、レディオヘッド。このほか、ノエルの弟、リアム・ギャラガーのビーディ・アイ、エルヴィス・コステロ、メジャーデビュー間もないエド・シーランと、イギリスが誇るアーティストたちが顔をそろえた。

元オアシスのリアム・ギャラガーらビーディ・アイのステージ=2012年、湯沢町
2012年のフジロックに出演したザ・ストーン・ローゼズ=湯沢町
ザ・ストーン・ローゼズのギタリスト、ジョン・スクワイア=湯沢町
フジロックのステージに立つエルヴィス・コステロ=湯沢町

2014年 「家族で楽しむフジロック」...

残り970文字(全文:2887文字)