
上越市役所
新潟県上越市の市立小学校で9月9日の給食後に低学年児童がアレルギー反応を起こした事故で、児童に発症の疑いがあったにもかかわらず、学校側がマニュアル通りに薬を飲ませていなかった可能性があることが、市教育委員会などへの取材で分かった。市教委は経緯を検証し、公表する方針だ。
上越市では2023年に起きた小学校での給食アレルギー事故で、緊急注射薬エピペンを打つのが遅くなるなどした学校側の対応が問題となり、市教委は教職員への研修を強化していた。
保護者によると、児童は気道にじんましんが残り、9月10〜12日は欠席。通学の見通しは不明だという。保護者は「子どもが助かってよかったが、学校は研修をしているのに生かされていない。何のための研修か」と話している。
市教委や保護者によると今回の事故では9月9日午後0時55分ごろ、卵アレルギーのある児童の左肘が、同級生の食べたかきたま汁の食器に触れた。児童は左肘を流水で洗い、保健室に行った。午後1時15分ごろ、学級担任が保護者に電話し「児童にかゆみがある」と連絡。児童は保護者に「首がかゆい」と訴えた。
マニュアルでは、子どもが原因物質に触れて軽度のかゆみがあれば薬を飲ませ、症状の変化を観察すると定めている。だが、学校側はこの時点で薬を飲ませなかった。...
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