魚沼中条駅に掲げられた駅名看板。右は揮毫した目黒珠音さん=11月17日、十日町市中条甲
魚沼中条駅に掲げられた駅名看板。右は揮毫した目黒珠音さん=11月17日、十日町市中条甲

 新潟県十日町市のJR飯山線・魚沼中条駅が開設された際に記念植樹され、道路拡幅などのため伐採されたイチョウの木が、駅名の看板に生まれ変わった。11月17日には看板の除幕式が行われ、90余年にわたって駅を見守り続けてきた大イチョウの新たな出発を、住民らが祝った。

 除幕式は中条地区振興会が主催し、住民ら約50人が参加した。中条地区振興会によると、魚沼中条駅は当初設置の予定がなかったが、住民らが地元出身で初代民選知事となる岡田正平氏らと要望運動を展開、1927年に設置された。

 その時記念植樹された60センチほどの苗木は、駅舎の左右に並ぶように20メートル弱に成長。2本の木は見事な枝ぶりで、駅利用者を楽しませてきた。しかし、道路拡幅の障害となることが判明。「記念樹を大事に残そう」との声も上がったが、2021年に伐採した。

 中条地区振興会では「何らかの形で記憶に残したい」という若手の意見を受け、伐採したイチョウを製材した板で駅名看板を...

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